水流渓人「hot-news」
 
2007年8月29日 「根子岳縦走」熊本県

ヤカタガウド〜天狗峰〜地蔵尾根
「縦走隊」?・・・隊列を成して行くものでもないのだが、3人であれこれ歩くだけなのさ!
 
天狗峰1433m・・・突端の岩峰でイェ〜イ!
 

 とっておきの「根子岳」にやってきた。そお!「とっておき」・・・「取り置き」しておいたのだ!登山をかじり、あちこち登り、岩登りみたいな・・・沢登りみたいな・・・事を体験している内に、「根子岳」は自分の技術と判断でやり遂げてみたいぞ!!と思うようになった。
 ここに来るチャンスは毎年あった。所属の山岳会では、根子岳を毎年登っているからだ!でも、連れて行ってもらう事が、どれだけもったいない事なんだろう・・・と、スイッチが切り替わり始めた頃、自分がリーダーで行きたい願望が強まった。だから、22日に続き、同じメンバーでの「根子岳」想定していなかった。それは、川キョンは何度も登っているからなんだが、携帯メールで『私は貝になります!』と言うものだから・・・どうしようか?と、しばし考えてもみたんだな!それに、暑いのに比叡もなぁ〜・・・、出来れば標高の高い方が涼しいよなぁ〜・・・との状況もあったからなんだな!
 そして、「川キョンの読図は・・・である!」「記憶が・・・事も頷ける!」「勘違いは得意である!」「こちらが迷う様なことも平気で言える!」これだけ特典の多い、可愛い先輩:川キョンを連れて行っても、まず私の満足度は落ちるはずがない!ましてや、もっと可愛い行動や発言も楽しめるはず!そちらの魅力に傾き、『私は貝になります!』発言で、根子岳が決まりとなった。

   
鍋の平キャンプ場から見上げた根子岳は、雲に包まれていた。 ヤカタガウド登山口
 

明るい谷のゴーロを、とっとと歩く・・・のは、安全な所で距離を稼ぐ!
 

 根子岳縦走のいろいろな情報がある。大好きな山旅人さんの報告や、兄さんだと思っている長崎のJimnyさんの報告を参考にさせていただいた。情報の収集は、どの程度にするのかは自分で選択しないと、やり過ぎは達成感の減少にも繋がる。コースは、外れようも無い程、選択肢の無い痩せ尾根である。下山に使おうとしている「西尾根」も「地蔵尾根」も、実に顕著である。後は、自然が私達を快く受け入れてくれるか、どうか・・・。そして、危険を回避できる技術と経験を踏まえ、楽しませてもらうだけである。あまりにも、自分の中で高め過ぎた根子岳縦走へのチャレンジだから、自分の興奮をどれだけ抑えて冷静であることが大切だと思った。

登山口から堰堤を数箇所横切る。 ザレ場をテコテコ登る。
 
涸沢のゴルジュを登る 結構な急登である。
 
落石に注意しながら慎重に・・・
後方に視界が開け高度感が上がる。
眼鏡岩辺りは絶好の休憩ポイント
   

次期目標である「高岳・鷲ヶ峰」が見えている。
 
稜線から鍋の平方面へ
強烈にえぐれた谷が伸びている。
実に痩せた尾根に立つ、
痩せた川キョン先輩(^o^;)
 
 シンボル【天狗峰】へ

「根子岳」は、運動靴で登る!
なんか、西都山岳会の掟みたいな、暗黙の決め事みたいな流れがある・・・。
まぁ、私がそう思っているだけかも知れないが、登山口でクライミングシューズをリュックに入れようとしていた私に、「?」と貝になった先輩が、そんな顔をした。
しっかり、運動靴で取り付く水流ちゃんである!
(ファイブテンの運動靴だが・・・)

天狗峰の標識にて、川キョン先輩とじんさん・・・3人は同級生コンビ。
女性の年齢を記述するのは失礼だと思っているぅ・・・水流ちゃん48歳。
3人・・・もっと素晴しい50歳台が待っていると信じているのだ!!

 
天狗峰からV峰・西峰を見下ろす。素晴しい高度感だなぁ〜!
 
天狗峰から25mの懸垂下降 10mのナイフリッジを通過する
 
いい高度感を得て行動するのは・・・至福の時間だよなぁ〜!
  
簡単な5mの岩を登る そして、10mの懸垂下降
 

 天狗岩を登りはじめて、私は高ぶった気持がスゥーッと落着いていくのを感じた。根子岳を口にした時、じんさんは恐がった。ネットからの情報だろうか?比叡や鉾の岩をすでに9回も登った人のいう意見ではない!と、私は落着かせた。私の欲だろう・・・、このルートは私がリーダーで、仲間も初挑戦である事を願っていた。ルートの事など、貝になった川キョンは言わないが、テキパキとザイルワークを処理してくれる状況は、どう考えても私とじんさんの初挑戦の状況で無いことは明白だった。
 天狗の登り出しは、足元スパッと切れたトラバース。V級程度だろうが、壊れそうな岩が体感を上げ、じんさんは震えたそうだ!いつものデカイ態度は消え、実に控えめで従順な態度である。いままて゜経験してきた事の積み重ねだが、見上げるだけの根子岳の景色が、今変わろうとしている。それを意識すると、返って気負うだけの事だと思った。今、川キョンが操作しているロープワークを、じんさんが果たして出来得たか?・・・疑問だが、明るさは維持している。25mの懸垂下降を終えた辺りから、いつもの調子に戻った?(随所、チトびびりもあった様だが・・・)みたいだ。

  
崩壊で悪くなっているトラバース じんさん提供の写真
  

クズ岩を歩く
 

西峰方面からの天狗峰・・・圧倒的で絶景だ!
 

 出来る限りトップの私、中間カラビナ通しのじんさん、ラスト川キョンのコンテで歩いた。ロープを多様したので西尾根への登山道まで、通過に2時間30分を要しているが、それは上出来だと思っている。危険箇所を安全に通過し、そして最大限に楽しめたと思っている。
 一般道合流を確認すると、一旦ピークへ立ち、景色を楽しみながらの昼食にした。じんさんが、私と川キョンの分までおかずを用意してきてくれた。私はコンビニの弁当だが、川キョンは、鋭い勘?で、オニギリだけを持参していた。サスガセンパイ(^_-)〜☆
 8月のうだるような暑さなど無く、初秋の涼しい風が吹いていた。

  
往年のヘルメットがあった! これが西峰のピークだろか?
       
高岳、阿蘇五岳の主峰・・・ん!よく見えている。
  
九重連山を望む。
   

天狗峰越に、祖母山系がキレイに見えていた。

 

 私は、強い満足感に浸りながらの昼食だった。自分で成し遂げるために、なんだか宝物の様に取り置いていた根子岳だった気がする。人に、私でも登れるやろか?なんて愚問はしなかった。挑戦してみるのに、詳細な情報はやはり得ない方が達成感は大きいと思うが、聞いて行っても実際を体験すると、その自然の偉大さにひれ伏す感じた。天狗峰への登り出しで、腹が座ったはずの私は、下山を手前にして少し気が抜けてしまっていた。ひたすら、「下山は嫌だ!下山の方が疲れる!バテる!」なんて言い続けたのは、緊張の糸が切れ、気持ちを持続出来なかった情けなさを隠すための言い訳だった。
 快調に下る川キョンとじんさんの後を追いながら、私はヘロヘロに林道に着いた。駐車位置に到着し、地面にリュックを枕に寝転がったじんさんを見て、なんだか判る気がした。でも、恥ずかしがり屋のボクちゃんは、地面には寝れなぁ〜い(^_^ゞ。その間、川キョンは何処かの藪で着替え?ていた。
 さぁ!温泉へGo!だ!二人は、女マークの暖簾をくぐり抜けたので、当然、3人で一緒に露天風呂から根子岳を見ることは出来なかった。q(-_-)bad!!アタリマエダロ!

  
地蔵尾根?から林道へ下山。 月廻り温泉へザブン!
露天風呂から根子岳が最高です!
  

この景色が、眺めるだけのもので無くなった日・・・。
 

 大冒険でもないのだろうが・・・なぁ〜んか!この同級生登山隊「3人隊」(隊と言うのが大好きな水流渓人(^_^ゞ)での「初挑戦」に、私は達成感を覚えている。初めてのコースに思いを馳せる時、地図を見てルートを想像する時、高ぶりと、それと相反する深い落ち着きを覚える。まぁ〜、時間や都合が許す限りのどちらかというと偶然的な「隊」なんだろうが、この日の【根子岳】は、記憶からは消えないと思う。いい日だった。

    
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