水流渓人「hot-news」

2007年8月22日 「大幡川〜大幡山/霧島」沢登り
 

「大幡川」が正式名称である。
  
 
高原町高松地区?の高崎川に架かる橋から霧島連山を眺める。
「高千穂川」「矢岳川」「大幡川」も、この高崎川の支流である。
 

 「大幡川」と聞くと、「九州の沢と源流」:吉川満著の本では、【上級者向】と表現されているので、その知名度も高い。『溶岩を侵食して流れる遡行困難な谷・・・下流のすごいゴルジュと、上流の滝の連続する谷は遡行を困難なものにしている・・・』と紹介されている。紹介どおり挑戦すれば、遡行は12時間以上になり、短日では難しく考えていた。しかし、最近の遡行の状況を調べると、上部(標高約690m)の林道が横切る所からの入渓がポピュラーになっているみたいだ。コースも、標高約930m付近で、右AB沢・左C沢に分かれ、標高約1150m付近で、右A沢・左B沢に分かれている。今回は、稜線に突き上げで右に大幡山山頂を迎えるB沢コースを辿る計画である。

   
入渓地は4・5台駐車出来る。
ここから先の林道は崩壊で通行止!
堰堤を正面に見据え、右を巻いて入渓するが、この堰堤が最後の人工物である。
 

明るい谷のゴーロを、とっとと歩く・・・のは、安全な所で距離を稼ぐ!
 

 最近、「川キョン+じんさん+水流渓人」のメンバーになる事が多い。なんでだろ?怪しい?そう、私らは怪しい関係なんであるd(-_^)good!!・・・んな事言うと、いよいよ怪しいのである。ちゃうちゃう(#^.^#)。変な関係なんである(^_-)〜☆て言うか、最近、水曜日に休みが入っている川キョンなのである。まぁ、川キョンとは同級生コンビであり、先輩後輩の関係であり、同じ山岳会という関係でもある。ん?・・・じんさんは?ってか?水曜日に付き合ってくれる有難い「スーパー主婦」なのである。しかも、岩登りから、沢登りから、実に前向きに捉えている。そんな前向きには答えてあげたくなるのが、九州男児ってもんではないか!!先日、「惚れた弱みだ!」と言ったら、滝の上から持ち抱えられて落とされそうになった(◎_◎)ウソウソ。そんなパワー溢れる熊本女子であるのだ(^_-)〜☆ウソウソ!
 まぁ、たまたま川キョンから、「22日(水)・29日(水)休みだよ〜!」とのメール連絡が来た。子供達は課外授業・・・。ならば!と、計画した沢登りをお誘いしたら二つ返事となった次第である。

  
入渓してゴーロを歩く事40分、3m滝に出会い、迷わず泳いで取り付く。
じんさん、お助けロープで滝下へ(^_-)-☆
 
最初に出会う10m斜滝と、後ろの釜を持つ6m滝。・・・と、笑顔の同級生コンビ!
10m滝は右を簡単に登り、6m滝は右壁へ取り付く・・・。
クラックにフレンズで支点を1箇所取り、思い切って登る、ホールド豊富。
6m滝を攀じるじんさん、下に川キョン。滝の音が凄いじょぉ〜(^^;)
 
6m滝を登りトラバースで滑滝へ 滑滝にて川キョン先輩と・・・
  
沢に咲く「ヒュウガギボウシ」
 
沢が右に曲がる・・・15m滝。右を巻く。
 
逆くの字の豪快な30m滝 滝は、次第に黄金色になる。
  

鉱泉湧水が、沢を滝を黄金色にしている。
 

 この「大幡川」を挑戦するにあたり、友達に入渓位置を聞いた。2日前に先輩に相談したら、詳細な地図を宅急便で送ってくれた。知り合いのブログで、遡行写真を確認した。当日、先輩から戴いた地図はしっかり頭に叩き込み携帯せず、自分で書き込んだ地形図を持参した。
 当日、思ったとおり入渓位置を勘違いしてウロウロとしてしまった。良く地図を見直し林道を走ると、友達の情報どおりの場所にたどり着いた。遡行を開始し、自分の持参した地図を何度も見るたび、先輩の送ってくれた地図と注意書きがオーバーラップした。滝に出会うたび、知り合いのブログ写真を思い出し正しくコースを辿っていることを確認できた。
 そんな暖かい情報に包まれて・・・だが、今回の「大幡沢」挑戦は、私、そしてパートナーの誰もが初見である事にこだわった。誰も知らない方が、その達成感は大きい。初見チャレンジは、一生に一度しかない。風景が変わるたび、滝に出くわすたび、位置確認をするたび、感覚が研ぎ澄まされる。実に真剣な時間が流れて行くのである。

  
鉱泉湧水 二俣は右(AB沢)へ行く。
       
小滝をボルダリング風に、シャワーで越える。
  
10m?二条の滝。左を巻く。
  
おっと、じんさんが滝に打たれる荒行を! 沢でたくさんの骨に出くわした!
  

 なかなかの迫力ですだれ状の水を放水する10m滝。左から巻くが、厳しい巻きを強いられる。滝左の尖り尾根に到達するには、弱い谷を横切る。痩せ尾根に取り付き、休憩。振り返ると素晴しい自然林の森が広がる。痩せ尾根を登り、切れる辺りから川床に下りる。ここは慎重にロープを出す。川床に降り立つと、ゴルジュの中にナメや小滝、迫力の20m斜滝、10m斜滝が次々に現れてくる。ザブザブと水の中を歩けるので気持ちいい。

20m斜滝の流芯を辿る川キョン
  
6m滝は階段状で簡単に登れた。 じさんに撮影を頼んだが・・・
シャワーで挑む・・・のはずが(-o-;)
  

小滝を楽しむと、谷は明るく開け二俣となる。左(B沢)へ。
 

逆層のスダレ滝の前で記念写真d(-_^)good!! 
 
右を巻くが、結構厳しい。 滝頭に出る。
    
明るい源流に達する。すぐそこに大幡山。
  
右の尾根から登山道に出る。 すぐそこが大幡山山頂。
 
山頂三角点にて・・・しばし、休憩・食事は、満ち足りた時間だった。
 
大幡池の見える展望所より、向うが「丸岡山」「夷守岳」
 
水量多い大幡池の縁を歩く。 自然林コースを下山する。
 
うっかり、林道を直進し、ひなもりキャンプ場まで来てしまう。往復6kmのアフター(-_^; 入渓位置に到着。
 

 今回の遡行時間は、5時間程度と予想していた。実際5時間12分(休憩含)である。最初のゴーロを少し急いだのも、途中の状況が未知であるがための時間節約である。また、本当は水が涸れ沢筋を忠実に稜線まで・・・の計画であったが、5時間が近づいた段階で、沢から尾根に取り付いた。地図の読みが正確であった事の満足感もあったが、なんと言ってもこの「大幡川」の素晴しさ、渓相のバリエーションの豊富さ、どれをとっても満足の行くものであった。成功を祝い山頂で熱く抱擁?・・・それは水流ちゃんの勝手な願望(^_^ゞ・・・でなく、握手を交わし昼飯にありついた。
 下山は、折角だから「大幡山」自体初めてのじんさんの為に、大幡池まで降りる。降りたところで鹿の白骨化途中が横たわり、すごい臭気であった。こんな満水の池は初めてで、いつもは砂利を快適に歩けるはずが、笹藪をかき分ける始末となった。一般登山道となっているひなもりオートキャンプ場からの「自然林コース」を下山し、林道を入渓位置まで・・・のつもりが、途中、右折するのを勘違いし直進・・・。6kmのアフターウォーキングとなってしまうが、位置関係が良く理解できる事?となった。
 車に戻り、片付けると、急ぎ「サンヨーフラワー温泉」に飛び込んだ。なんと、地元料金になっていたのにはチト嬉しかった!露天風呂から高千穂峰の眺めが良かったなぁ〜。さぁ!29日も同じメンバーでどこにいくのだろう!?

    
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入渓地スタート(8:07)---下の二俣(10:05)----上の二俣(11:56)----大幡山山頂(13:19)----休憩----下山----大幡山自然林コース登山口(15:28)----駐車位置(16:46)

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