水流渓人「hot-news」

2007年7月18日 「ニードル左岸稜・Wフレーク+新ライン」比叡山1峰/宮崎県
 

  
いよいよ水曜登攀隊の前半の最終戦となる登攀!
 

 台風4号に刺激された前線の影響で、台風再接近の2日前、私の住む西都市は1時間に84mmという雷雨があった。増水による被害が、全国放送で放送されたため、たくさんの方たちから気遣いの声を頂いた。幸いにも我が家は何の被害も無く本当に良かった。そうだよな・・・クライミングどころではないよなぁ〜!!と思いつつではあったが、
 「いよいよ前半戦の最後になりますが、どうですか?」
との元気の良いお誘いを受け、断る理由はない。いつものところで、いつもの時間に・・・と言う事で電話を切った。
 今回、ニードルのWフレークに挑戦するだろうなぁ・・・と考えていた。9日に小松の親分はタエちゃんをフォローに、このルートに挑戦し、RPできずにいた。3Pのピークへ抜けるピッチで雨に遭ったそうだ。なんとしてもRPする気でいることは判っていた。そして、もう一つは、師匠であるnamaさんから、所属する「鹿川・庵」の方たちと、Wフレーク・ノーマルと、スーパーとの間に、新しいラインを仕上げたと聞いていた。実に意欲を掻き立てられるニードル挑戦となっていた!・・・と言っても、それは小松の親分の事であり、私は以前の失態をまた繰り返さないといけない?いや!敗退?の重圧が強かった。

   
千畳敷から見上げたニードル。 アプローチに無数にいた虫・・・なんだろ?
 
千畳敷から見上げると、ニードルの頭はAピークに吸収されて確認しずらい!
 
取り付き付近は、整備・清掃が行われ、スッキリとしていた。
しかし、このスッキリさが恐怖感を増している。
手前、新ライン・・・。少し向こうがWフレークである。
 
Wフレークを正面から見る。 Wフレークを横から見る。
ジャミングの決まり位置を確認。 1つめのフレーク横までが最大核心。
  
ついに、Wフレークをフリーで成功させた小松の親分である。
  
なんと言おうか・・・。私はジャミングどころではなかった。
フレンズとアブミでの人工登攀となった。
フレンズが外れずスッタモンダし、アブミにつけたフィフィが隙間にはさまり回収大変!
前回のゴボウは免れたが、似たようなもので超ヘロヘロである。
 

 Wフレークを終了させると、一旦、懸垂下降で取り付きに降りた。続いて、少し左の「新ライン」に挑戦である。カメラを上に残したまま降りたので、その挑戦模様を掲載できないが、するすると小松の親分はA0で登り上がった。私は、当然のA1だが、Wフレークを登ったばかりなので、案外スムーズに登れてニンマリである。まだ、フリー化されていないはずである。

   
2Pは、ニードルの特徴的なフレークである。
出だしが考えてしまうが、スタンスを気にせず思い切って上を掴み上がると、
一旦、フレークの安定したポジションに立てる。
続いて、フィンガートラバースとなるが、思い切って右に体重を移し加減に
右足をステミング・・・と同時に左足をポケットに移動させる事が出来る!
そのままだと指に負担が大きいので、すかさず右の岩角をとって思い切り左手も岩を抱く!
そのセオリーを脳裏に焼き付けながら行くのだが、今回ようやく一皮剥けた気がしたゾ!
 
3Pのクラックは、当然のノーピン(^^;) ニードルのピークでビレーする小松の親分。
   
ピークから15mのラッペル
  

 ニードルは、いつも心境を喰う!私たちの実力や気持ちを見透かす様にケタケタと高笑いをして、一度として同じ表情を見せない。しかもその表情は魔性を帯びていてる気がしている。前回登れたのに、今回は難儀してようやく登れた・・・そういう状況に遭遇している。風が吹きつけ、雨が叩きつけ、そして登る者の弱さを引きずり出そうとする。
 「Wフレーク」・・・私にはとうてい登れないものと決めている。何度もテンションしながら、フレンズにアブミの人工登攀である。腕の力がこれ以上出ない!涙目になりながら5cm、10cmと体を上げていった。1つ目のフレークをやり過ごした時、無いはずの腕にかすかに湧き出る力を感じ、そして、2つ目のフレークを登った。ヘロヘロのはずが、また懸垂で降りて新しいラインに挑戦しようとしている自分がいた。登れないにしても、こうして小松の親分についてきているからだろうか?今回、何か爽やかな気持ちでピークを迎えた気がする。自ら挑戦しようというモチベーションまで到達することは無理だろうが、水曜登攀隊の前半戦の終了として、とてもいいクライミングだと思った!

  
左がニードル、右が1峰本峰の岩壁である。向う、2峰が見えている。
  

 千畳敷で水曜登攀隊の記念撮影?9月からの後半戦もよろしくお願いします。小松の親分50歳。水流渓人48歳。
 今年は、我が家は2人の受験生を抱えている。子供の自主性に任せていこうとは思っているが、親がこうして遊んでいてもいいのだろうか?いいのである!こうして育つ事が水流渓人の子供であるのだと思う。私も、この頃は何が何でも私の遊びに付き合え!と思わないようにすることが出来だした。家族全員で比叡の岩を!と、抱いた夢も、それはそれで夢のままでもいいと思い出した。ただ、そうできる環境に居る事は感じさせておきたい。

    
登山日記のページへ

自宅6:25----佐土原駅----都農神社7:30----比叡トイレ横駐車場9:00----登山開始9:28----取り付き9:38----Wフレーク登攀開始10:00----1P終了11:00----懸垂下降----新ライン終了12:05----2Pフレーク開始12:15----3Pクラック開始12:40----二ードルピーク13:10----15m懸垂下降----下山----千畳敷14:10----トイレ横駐車場----昼食----帰路へ14:40----日向・お舟出の湯----帰宅18:00

 Copyright (C) 水流渓人 All Rights Reserved  

BACK

inserted by FC2 system