2007年6月27日 「白亜スラブルート」比叡3峰・水曜登攀隊
「?」・・・、「楽しむ?」・・・。 6月の2・3週と、天候・都合で山は中止となっていた。その間、小松の親分は県体(宮崎県県民体育大会)のカヌー競技に出場し、【スラローム部門/3位】、【ワイルドウォーター部門/2位】をアッサリと獲得していた!かつて、県代表の国体選手であったが、50歳にしてトップクラスを維持するモチの高さがさすがだ! はたまた、50歳大台突入記念!と言いつつ、かの「ウォーターカップ2ルート」+この「白亜スラブルート」を、妙ちゃんと抜けている。相当に凄い登攀だった様子が、西都山岳会会報「麓屋通信」に掲載されていた。実に、その意識の高さに敬服する。有難き水曜登攀隊隊長であり、私の記録のほとんどが存在できる由縁でもある。 私は・・・というと、グズグスと燻っていただけで、『岩に対する恐怖』が日増しに熟成されているだけで、夜にママとてこてこウォーキングする程度で、右足首の捻挫が痛くて、歩いてはアイシングの日々である。 で、「?」・・・、「楽しむ?」・・・。なのであるが、この日も自宅を出るときは、次第に雨足が強まり半ばダメモードで待ち合わせの『都農神社』へ向ったのである。それがそれが、日向市内でもポツポツ落ちる雨に目もくれず、あれこれ喋りながらたどり着いた比叡は、【青空】だった。盛り上がる気分とは裏腹に、小松の親分の「じゃ、3峰に行きましょうか!白亜をやりましょう!」という言葉に、極端で最大な尻込みを内心持ち合わせているのだが、「はぁ〜っ↓。いいですよぉ〜↓。」と、うつろな目をする水流渓人なのである。それは、白亜スラブを登り、あまりのキツさに吐き気までもよおし、口から魂が抜け出た経験があるからなのだ!
3Pのフィンガークラックも、強い傾斜でごっついパワフルなのだ!
3P終了点から、フィンガークラックを見下ろす。
フリーでRP狙いの小松の親分である。日の差し出した岩場は、風が無くなると辛い。果敢にチャレンジしていく小松の親分ありきの『水曜登攀隊』なんだが、今まで攀じりながら「そのピン、掴んでもいいだろうか?」「ヌンチャク握りは。チト情けないよなぁ〜。」「ピンに立っちゃった!」「ロープ掴み上がりは、ゴボウだなぁ〜!」などと、楽しむ為にやって来た岩場で、なんだか羞恥をさらけ出すオヂサンなだけであった。でも、今年に入っての私は、ここらでは若手?とも言われる48歳にして、『僕はクライマーぢぁ無いもん論』を胸中に抱き、掴める物は・・・立てる物は・・・何でも大きく受け入れよう!と、実に寛大な態度で望んでいる(^^;)。もう、そこには「情けなさ」とか「格好悪さ」とか「強さ」とかの感性を分厚いオブラートに包み、言い訳もせず上のみ目指すオヂサンと化している。 情けなさを列挙すればたくさんあるが、 『クラックをレイバックで登り上がる。』 と書けば、短い果敢な状況に表現できるが、2Pの状況を見ても 『クラックを見上げ、どうチョンボしたらいいんだろう?と、涙目で見上げながら、リードの引くロープの力強さを股間に感じ、一歩踏み出せば、ガクガクガクガクとクライミングシューズが岩で震動している。クラックに指を差し込めば、汗でニュルニュル・・・腕を必死に曲げて耐え様としてしまうから、すぐに萎えかけてくる。不恰好なレイバック体勢のまま、出た腹が邪魔になりギアの回収もおぼつかず・・・とにかく次のぶら下がるヌンチャクを握ろうとすると、必死な自分を引き止めるかのごとく下から引っ張られる。あぁ〜!ついに私も下から引っ張られるとは、いよいよこんな遊びはヤメロと警告されているのだろうか?と下を見る。単にクリップされたロープをヌンチャクを回収しておらず上に行けない状況である。この失態には情けなさを通り越し、まあまあ〜あなたはフォローなんだからぶら下がっても大丈夫!と、誰も言ってくれない事は百も承知だから自分でブツブツ言いながら、ぶら下がりまた登り返す。言葉にもならない断末魔の声を体内から絞りだし、ようやく平行ピンにたどり着くと残り3ピッチに絶望的な圧力を感じてしまう。』 が、正確な状況である。元来、「厳しさも伴い、今日は充実したクライミングでした!」とか、「スッキリと快適なクライミングを楽しめた!」とか、未だに理解できない私としては、やはりこの「白亜スラブルート」とも【登れないルート候補】の一つなのである。消去法で、ルートを選別し、たぶんあと2・3年後には私の報告からは、年に1・2度程度のなじみのあるルート名のみ書く事になるはずである。
3Pのフィンガークラックは45mと長い!続く緊張が45mというのは、リードも疲れる。フォローの私もヒーヒーハーハーと、体内発生音も高い(-_^;ようやく足の震えが止まり、3P終了点・・・ハング下を迎えた。ここからが最大難所である事は、私も知っている。前回、あまりのきつさにアブミの回収を忘れた程だ!下から登り上がってきた宇部の三浦さんが、「はいっ!忘れ物。」と渡してくれた。 今回、私はA0はもちろん技術!A1(人工登攀)も駆使するバラエティーに富んだ登りで挑戦している。・・・(^_-)〜☆岩登りをしない人には、格好よく聞こえる?単に登れないからであるが、アブミはテープアブミ1本で何とかやり過ごせた。しかし、3箇所ほどフレンズを差し込み、掴まないとどうしようもない所もあった。でも、満足である。ここまで来たら、終了点の石舞台はもうすぐだから・・・。
強い夏の日差しが、クーラーの故障した私の愛車を照りつけていた。水場で顔を洗い、体を拭いた。旨い水なので、持参のペットボトルに汲んだ。梅雨時期の好天に、すごく得した気分で温泉を目指した。西都山岳会の「水曜登攀隊」も、1.5スラから4年目を迎えている。時折、水曜に比叡で会うクライマーに「水流渓人」だとか「水曜登攀隊」だとかいう言葉を耳にするようになった。この挑戦を、いつ1つの節目にするかは判らないが、出来たら製本してお世話になった人だけに渡したいと思っている。創刊製本5冊程度だろうか?(*^o^*) 焦らず、ボチボチと・・・。長く楽しめたらいいなぁ〜が、水流渓人のスタンスだろうか?まだまだ小松の親分に鍛えられる「岩旅」は続くのだろうか・・・。
自宅6:25----佐土原駅----都農神社7:30----3峰水場駐車位置9:25----取り付き9:35----登攀開始9:45----3P終了11:45----4P終了13:20----終了点13:45----昼食----下山車道へ14:40----下山完了14:45----帰路----日向サンパーク・お舟出の湯温泉16:10----帰宅18:00
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