水流渓人「hot-news」

2007年6月6日 「大滝右ルート」雌鉾岳・水曜登攀隊+川キョン
 

 
いよいよ、大滝奥へのチャレンジが始まった・・・
 

 入梅後、3日だけ雨が降ったもののずっと好天が続いている。水曜登攀隊の要である小松の親分の気持ちが、いよいよ雌鉾スラブの大滝奥へと向った。ここの所、水曜登攀隊に付き合いの良い川キョン先輩も交えての西都山岳会バージョンの登攀となった。
 今回、反省しなくてはならないのは、平日・・・に甘え、鹿川キャンプ場手前の駐車場でなく、その奥の私有林道脇に駐車し、地主さんに叱られてしまった。今回は大目に見てもらったものの、地元の方たちあってのクライミングである。鹿川庵の方たちが、これまでに重ねてきた地元の方たちとの付き合いの上に比叡や鉾でのクライミングが成り立っているという事・・・。申し訳ない気分のスタートとなってしまった。何事も、マナー・礼儀・・・常識ありきの話だなぁ〜と、深く反省する。

  
ササユリが出迎えてくれた。 そして、ヨウラクツツジ。
 
チャボシライトソウも・・・。 いよいよ壁が見えてきた。
 

 「滝見新道」の看板が付けてある。KYCルートや大滝左ルートなどのある大滝手前を通り過ぎ、さらに奥へ行く。取り付きはすぐに判るが、ここはここで、初めての景観に緊張が増す。ましてや、いたるところ染み出しが多く岩が濡れて光っていた。

  

ルートの確認をする小松の親分と川キョン。

  
まずバリエーションラインのホールド乏しいスラブを・・・攀じる! しかも、傾斜はきつい。
 
2P。出だしが核心!浅いフレークを横に取り、スタンスはギリギリのフリクションで耐える。
そこを過ぎると、ホールドは増え、下から見たアンダーフレークは意外と簡単だった。
  

 2P、どうしても出だしが登れない。スタンスのフリクションに耐えれない。思い切れないで、ロープを掴み上がってしまった。この行為は、後から後悔と情けなさがどっと押し寄せてくる。落ち込むことしばし・・・。いつも思う、「岩登りをいつ止めようか!の理由探し・・・。」でも、こんな不甲斐ない登りの気持ちのままでは止められない!と思ってしまう。意地になることはないよなぁ〜なんて、遠巻きにクライミングを傍観しているはずの自分が、悔しくて仕方ない。でも登れない。
 2Pを終了し、一旦懸垂下降で川床の取り付きへ降りる。50mロープ一杯で2mほど足りないが、ロープの伸びと、ピンでなんとか1回で降りることが出来た。こう言う事を体験的に知ると言う事は、断然有利である。そして、飯を食う!

  

 大滝越しに景色を見ていると言う事は、間違いなく大滝の右にいるという事だ!

  
昼食後、もう帰ってもいいかなぁ・・・なんて考えさせてくれない(^_^ゞ
 

 大滝右ルートのオリジナルライン1P。沢登りかいな?と思うほどのコンディションにも怯まず果敢にリードする小松の親分!右ルートにはV1・V2というルートもあるが、完全に沢状態になっていた。この直上後、あな恐ろしや!右トラバースで、私はまたしても唸り声を上げてしまった。

 
珍しく爽やかな写真写りの川キョン先輩 2P核心をギリギリのフリクションでフォローする先輩。私は登れずゴボウになる(-o-;)
  

 オリジナルラインの2Pは、午前中に登った?いや、登れなかった2Pと同じルートである。小松の親分は、一度登った後の今度はあまりにもアッサリと、何の迷いも無くサッサとリードして行き、「登って来い!」とコールしてきた。
 私も2度目のチャレンジである。2度目・・・だが、登れない!のである。あれだけ落ち込んだ後の、2度目ともなると気持は固まった。小松の親分は、「これから何度でも挑戦したらいい事だから・・・!」と前向きにフォローしてはくけだが、私は川キョン先輩に「このルートは、私の記憶から消すことにしよう!」と語っていた。こっちの方が、自分的には前向き(^^;)な気がするのだが・・・。こうやって、記憶から消そうとするルートが増えることで、私は理想である岩登りを止める理由が出来上がるのかも知れないのだ(^_-)〜☆

  
止めておこうといっていたベットリと濡れた3P。でも、小松の親分は「やっぱ、上まで抜けましょう!」と、リードして行った。支点がないのだよ・・・実にこれが(-_-#)
大滝の落ち口付近から 藪に埋もれる先輩は、何故か嬉しそう
  
下降しながら上を写す。「切れない!外れない!」考えると恐くなる。
    

 大滝の落ち口付近を見ておきたかったのは、滝を跨いで渡れる場所を確認しておきたかった。緊急時のエスケープルートを知っている事は、それなりにチームとして強くなれる!と言う事である。藪を掻き分け、滝の落ち口上部に、一跨ぎで渡れそうな箇所を確認できた。
 気を引き締めなおし、懸垂下降体勢に移る。岩の隙間に生える草の中にササユリの蕾があった。

  
下降途中から、川床の小松の親分を写す
    
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