水流渓人「hot-news」

2007年5月20日 「春はあけぼのルート 」雌鉾岳
 

 
久しぶりぶりの所属会クライミングへ!
 

 

 日曜休みのこの日、テスト前の子供であったり、約束のある子供であったり、小学校行事の親子であったりして、私だけが空いた。
 nama師匠に電話を入れると、「おいで!」と言う事で、私以外が前泊していた山の会の家「麓屋」で待ち合わせる。1スラ中央稜奥の細道以来、4度目のアンザイレン?という事になる。嬉しいに決まっているが、恐怖6割。「鉾にしようや!」と決まっていたみたいだ!

  
さぁ!賑やかに取り付き目指してGo! ワイワイガヤガヤと、楽しいアプローチ。
  
1Pへ取り付く水流渓人を師匠がパチリ!
 

 家を出て「川水流やな」辺りで気付いたのは、スリッパで出かけてきた事だ!nama師匠のアプローチシューズを貸してもらえる事になったが、師匠は、サンダル(バンド付き)・・・申し訳ない。もっと面白いのは、釣りのつもりで来ていた梅ッチである。もう1足持ってきていた私のクライミングシューズと、スリングハーネス?で登る事になった。ワイワイガヤガヤと、アプローチの登山道は、いつもの登山道?と思えるほど賑やかで愉快だ!アッという間に取り付きに到着した。すでに、鹿川庵の方達が登っておられるのが見える。
 師匠--私--アヤちゃん、梅ッチ--川キョン--タエちゃんのオーダーで取り付く事になった。
 
【春はあけぼのルート】
1P/50m/5.3・・・スラブを右上して松の大木へ
2P/45m/5.5・・・肌理の細かいスラブから傾斜の緩いスラブ
3P/50m/5.5・・・傾斜の緩いスラブを右上したあと凸凹のあるスラブの直上
4P/50m/5.10b・・・フリクション頼りのスラブ
5P/20m/5.8 + 6P/30m/5.9・・・スラブから草付〜アンダーのレイバックで左に移りクラック
7P/25m/5.10d・・・スラブからバント

  
1Pをフォローしてくる師匠とアヤちゃん 2Pをリードするnama師匠
  

 2Pをフォローする水流渓人である。後続にアヤちゃん、そして別パーティの山岳会の面々・・・。なんでもないことかも知れないが、私は日曜日に仲間達と付き合えない職業である。このストレスは、身を置いた者にしか理解できないだろう!幸運にも平日休みの仲間がいて、「水曜登攀隊」の記録を発信できているが、私は17年、この西都山岳会に在籍し、両手で足りるほどにしか仲間達との付き合いが出来ない。でも、仲間達は当然の様に私を受け入れてくれるから有難いのである。

   
2Pをフォローする師匠とアヤちゃん 2Pをリードする後続の川キョン
  
3P終了点で確保するnama師匠。
  
4P/50m/5.10bに取り付く 実に恐いスラブ登攀である。
 

 以前、1度ここをフォローで登った事がある。このピッチをリードするのに、相当の覚悟が必要だったはずである。しかし、何の迷いが必要であろうか?この日、私は師匠を従えての挑戦なのである。「行きます!」と言えば、何が何でも上への気持ちを強く意識した。
 しかし、この何もすがるものの無い鉾スラブの特徴的な岩肌を、ただただ「絶対に落ちない!」と信じて上へ体を持っていく・・・。一度、左足がズリズリを50cmほど滑り落ち、ピンで止まった。なんだか、そこで私の腹は決まった気がした。行くぞ!と、その闘志が全身を奮わせた。下を見て「登って来い!」と、震える声で言ったかもしれないが、その日、私は今まで否定していた「クライマー」の域に到達した気がした。

 
身震いするぜ!私のリードに、師匠が繋がっているんだから・・・。泣きそうな感動を覚えた。
  
アヤちゃんも核心を抜けピース!! 4Pを平然とリードするタエちゃん!
  

 5P・6Pと50mをつないで登る。このアンダーフレークは、遠慮したかったが、「行かないと、絶対後悔する!」と騙す?師匠の言葉を背に受けての一世一代のリードである!!

  
6Pをフォローしてくる師匠とアヤちゃん。
    

 6Pをリードして、本当に込上げてくる達成感に包まれた。途中、足がガクガク震えたのを覚えている。気がつけば、隣のルートを攀じられている鹿川庵のお歴々の方達がすぐそばにいた。下にコールする時、私は本当に一緒に登っている連帯感を感じた。これ以上は私には無いな!・・・そう自分で呟きながら、「自分にとっては、記念すべき日なんだ!」と思った。ただ、それは特別にどうこう言う事も無く過ぎていく一瞬の時間なんだろうが・・・。

  
7P/5.10dの気迫ある最終ピッチは、師匠に甘えて攀じ登るのだ!
 

7Pをフォローしてくるアヤちゃん。師匠に連れられ強いクライマーに育ってきた!
彼女のクライミングデビューは、なんと私となんだから可笑しいよなぁ〜!!

終了点で確保するnama師匠 下山は、鹿川庵の方たちと一緒になった。

 「今日は、高鍋で打ち上げしようか!餃子でも食べようや!」と、師匠が号令をかけてくれた。旨いビールが飲めた。こんなクライミングが、私に何度あるだろう・・・?これが最後でもいいかなぁ〜なんてぼんやり考えたりもした。すでに、私はいつもの「クライマーではない!」という理由をあれこれ自分の中に見つけようとしている・・・・・、97回目のクライミングの今日である。

    
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自宅6:00----麓屋7:50----鉾登山口8:20----取り付き8:55----登攀開始9:10----中央バンド9:55---終了点11:15----下山----駐車位置12:25----下山----日向お舟出の湯----帰宅15:30----打ち上げを高鍋にて

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