水流渓人「hot-news」

2007年2月21日 「第一スラブスーパールート/比叡山」
 

比叡山・1峰「第一スラブスーパールート」
南面スラブを見上げる。代表的な「ニードル」「1スラ」「2スラ」が見える。
  

 またまた「岩登り」に行きたくなった。そして、その味わいに欠かせないのが「第一スラブ」だと思っている。そう思っても、平日休みの私にはパートナー探しが結構大変なのである。これから、仕事柄3月の繁忙期には、なかなか休めなくなる。そう思うと余計に行きたくなるのである。
 7日に「ドタ誘い」で同行してくれた熊本のじんさん、2年ぶりの比叡で、少し恐い思いをさせてしまったのでは・・・?と、思っていた。そう言いながらも、近くに同行者が無く、またまたの「ドタ誘い」のメールを送った。「恐い所でなければ・・・」の条件付で、槇峰で落ち合う約束が出来た。岩登り・・・前提で、恐くない所・・・と、限定するじんさんもおかしな人だが、都合7回目?の私との比叡のスラブである。

 
 

 と、言いつつも取り付きに立ったじんさんは、7日の様子とは違っていた。自分でロープをさばこうとしているし、8ノットも自分でやろうとしていた。前向きさが感じられる相手となら、こちらのテンションも高めてくれるというものだ。前夜、風呂で滑り、左胸を強打し、13回目8本目の肋骨ヒビ?も、我慢できる境地である。(タダ、咳き込むと死に目に会う!のだ。)
 「ここ、私登った?」なんて、しっかり登っているのに呑気な会話をしながら、スタートした。

  
1Pを上がってくる。 2Pは左トラバース気味に・・・高度感が出る
     
2Pは、中間地点で一度ピッチを切る。そのビレー地点を上から写す。
高度感が出て、素晴しい景観である。
少し、ハンギング気味の体勢を初めて経験するじんさん。
3P亀の甲スラブ下のテラスへ上りあがる。川底まで400m近い高度差
  
4P亀の甲スラブを攀じる。 4P、もう少し!!道路が見える。
  

7Pは、スーパールート核心の5+級
 

 4Pの通称「亀の甲スラブ」は、登り始めにクラックから棚に乗り上がる所がポイント。少し、以前に嫌な感じだったので恐がっていたじんさんだったが、それ以上に、私がスッタモンダしてしまった。誰が打ち足したかクラック内にハーケンが増えていた。そんなことより、クラックを少し上に行き過ぎて右に移れず少しミシンを踏む失態・・・。棚を掴めば強引に登り上がったが納得行かないピッチとなった。ここにお助けスリングを垂らし、快適な亀の甲遊泳を楽しむ。じんさんも上がった来た。
 5P・6Pは、いっぺんに登る。・・・んだが、後1m平行ピンに届かない。下から「ロープ一杯!」と、じんさんの声が何度も聞こえる。いつもの仲間とは、途中でビレーヤーが一段上がったりしているが、今日はじんさんにはそんなことはさせられなった。「ロープ一杯!」の声を聞きながら、ロープの伸びとじんさんの軽さ?を信じ、強引にピンめがけて突進してなんとかヌンチャクをかけ、眺めのスリングを足して事無きを得る。
 調子が良くないから、ひょっとしたら核心は逃げるかも・・・・・!、その方がいいかも・・・・・!と、弱気な会話もしていたが、核心の基部に立つと迷わず5+級を登り始めた自分がいた。なんともなかった所が登れない・・・。それは、岩登りにはよくある事・・・。だから、何度も登りたくなるのである。一部A0の情けなさも隠せない事実だが、そこを逃げなかった爽快感は大きい!上から、「どうや?チンチンがちゃんと付いている所を見せてやったぞ!」と、大声で叫んでしまった。イヤ!本当にチンチンを見せたわけではない(^o^;)のだが、人妻のじんさんに向かって言う台詞ではなかった・・・(-_-#)。失礼しました。

核心を越えて下を見る。私は、往年のボリエール製「フィーレ」も好きなんだ!
     
核心ピッチをフォローしてくるじんさん。
  
終了点にて ツツジが春を告げる
 

 気持ちのいいクライミングが楽しめた。この比叡を代表する「第一スラブルート」は、やはり素晴しいコース設定と、この高度感にあると思う。何度登っても、登る自分の状態・状況を「岩」が見透かす。こうして、Aピークに抜ける事で、その登りの過程を達成感という素晴しいものに変えてくれる。「ちょっと、楽しく思えたかな?!」と言ってくれたじんさんに感謝した。

  

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6:30自宅発----佐土原駅----9:00槇峰上バス停----9:30交通規制手前の空き地----10:10取り付き----10:25登攀開始----11:303P終了点----13:18終了点----昼食----14:10下山開始----14:50千畳敷----15:15駐車位置----日之影温泉----帰路----18:45自宅着

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