水流渓人「hot-news」

2007年2月12日 「日南の山/小松山・女鈴山・男鈴山」
 

小松山・女鈴山・男鈴山
日南海岸の「鬼の洗濯岩(波状岩)」と「ワシントニアパーム」・・・・・いい天気だ!
  

 ママがようやく日常を取り戻した。子供の為・・・を信じ、そして頑張ったPTA活動である。でも、そこまででいい!と話し合った。小さい力の自己犠牲だけでは・・・、理想や努力だけでは・・・どうにもならない環境に屈した。屈したのではないが、正論を推し進める事の出来ない意識の低さや浅さは、もはやどうにもならない事に気付いた。ママがママらしくなくなる前に、いつもの家族のペースに戻さなくてはイケナイと思った。
 本当は、家族6人全員で出かけたかった。別に登山である必要はなかったのだが、次第に私も強要をしなくてもいい気持ちも持つようになった。長女・長男は、試験前だから・・・と、家に残った。次女は、高校入試も終わり、期末試験も終わり、自分のやりたい事をしていたいと言った。次男も、なんだか姉兄同様に家に残りたかったみたいだが、小学生の間は「強要」することにしている我が家のルールに従わせる事にした。【絶対に山に行きたくない次男】が出来上がってしまった。
 【絶対に山に行きたくない次男】は、涙目で車窓を流れる景色を見ながら押し黙っていた。サンタさんが持ってきたMP3プレーヤーを聞きながら、歯を食いしばっていた。海の景色に変わり、日南市が近づく頃眠りについていた。ついでを言うと、助手席のママはずっと舟を漕いでいた(^o^;)

  
日南駅前を通過・・・ 飫肥の市街路から女鈴山・男鈴山
     
酒谷地区に入り、日南ダム横から右折 林道を走り石原登山口へ向かう
    
ようやく登る気になってくれた【絶対山には登りたくない次男】
  
登山道は、時折伐採地に出る 伐採地より日南市街と海が一望
  
1時間登ると「小松パラダイス」に飛び出す 自然林の中を一登りで山頂
    

小松山山頂にて・・・、水流ちゃんは爺さんみたいだなぁ〜
 

 ひょっこりと山頂に飛び出す。山頂まで1時間20分、いい汗を流す事が出来た。すでに、私もママも、次男の登りのスピードについていけなくなっている。来て良かった!と思うのは、「日南の山」だからだ。岩登りばかりしていると、ついついのんびりとした登山をどこかに封印してしまう!こんな穏やかな登山は、お互いの息遣いを強く感じることが出来る。ふと見えた「霧島連山」にも、「日南市街や海」の景色にも心底癒されていくのがよく判る。
「このくらいがいいなぁ!」
ママの正直な意見だと思う。早々に下山して次の山へ行こうか?迷っている私に、
「お父さん、ここでラーメン食べようや!」
と、【絶対に山に行きたくない次男】に言われ、ハッとした。山頂を稼ぐ事が山ではない事を、まだ私は忘れかけていた。どんな山であれ、山頂であれ、過程を楽しむ事を忘れては、意味の半分を失する。
「よしよし!ここで景色を眺めながら、お湯を沸かしてラーメン食べよう!」

霧島連山が見えている!
     
下山途中の伐採地からのパノラマ(画像クリックで拡大)

 山頂でお会いした鹿児島からの2人さんと、「花」談義をする。あちこちローカルな情報を交換した。ラーメンを食べ、お別れをいい山頂を後にした。
 登山口に戻り、そのままの格好で次を目指す。「次」と聞いて合点いかない【絶対に山に行きたくない次男】は、またまた強固に反対意見をまくし立てた。
 酒谷地区から一旦飫肥方面へ戻り、途中右折して「風間地区」を目指す。小さい「鈴嶽神社」の看板を見つけ、右折する。7.6km林道を走ると「鈴嶽神社」である。それにしても青空である。

  
鈴嶽神社入口 入口から7.6kmで鈴嶽神社
 

鈴嶽神社から徒歩1分で「女鈴山」山頂だ!
それでも文句が止まらない次男を捕まえて無理矢理記念撮影!
  
20分で「男鈴山 自然維持の為に、標識乱立は避けたい
  

 風間地区から7.6kmの林道ツーリングは、結構楽しめた。着いた「鈴嶽神社」には20台ほどの駐車スペースがあった。小松山を登ったそのままの格好なので、すぐに歩き始める事ができた?いやいや、パワーアップした【絶対に山に行きたくない次男】が、「2つ登るなんて聞いていない!」を連発した。鳥居から1分の女鈴山の山頂に5分かけた。記念撮影もまともにしない。「さぁ!次は、男鈴山へ向かうぞ!」の言葉に、【絶対に山に行きたくない次男】が怒って勝手に歩き出した。私は、とおとお次男に平手打ち3発を振り下ろした。嫌々なのは判っている。しかし、来た以上はチームの一員である。勝手な行動と、調和を乱すことは許される事ではないことは、彼も充分判っているはずである。思い切り殴られても、彼は涙を見せなかった。少し落着いて、先を行く私にピタリと付いて歩いてきた。
 20分で付いた男鈴山の山頂で、大した印象も残さぬままだった。山を楽しむというより、子供をコントロールすることに気持ちが行ってしまったからだろう・・・。でも、こうやって長女も次女も長男も歩いてきた。強要されて歩いてきた子供たちに、いったい何が残ったのだろう・・・。いつもそう思う。だから何?というこれからも判らない。でも、通常ではない岩登りを親子でやり遂げた事実もある。疑う事無く、真直ぐに子供達は私に従った。あの時の、純粋な眼差しを見ることが出来た親も、そう多くはいるまい!そう、あの時、「絆」が形として見え、心にビンビン響いた!
  帰路、今度は右に見える日南海岸を見ながら車を走らせた。穏やかな海、水平線が丸く見えている。「お姉ちゃん達に、貝を拾って帰ろうか?」と、いつも行く波状岩の磯に降りた。一生懸命、貝拾いをする次男が、「お父さん!ボクはテゲでっかいのを見つけちょっとよ!」と、波の音より大きい声で叫んだ・・・。


    
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7:30自宅発----9:00日南市----9:45小松山登山口----10:05登山開始----10:50小松パラダイス----11:10小松山山頂----昼食----12:40登山口着----移動----13:25風間地区右折鳥居----13:45鈴嶽神社----13:54女鈴山----14:14男鈴山----14:35鈴嶽神社----帰路----野島の磯----18:00自宅着

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