2006年10月11日 「水曜登攀隊/雌鉾岳・スプリングスカイルート」宮崎県
鉾岳へ3週連続の水曜登攀隊である。水道工事による交通規制の予告看板があったので、「広タキスラブ?」の案も出たが、とりあえず目標としている「鉾シリーズ」へこだわりを見せよう!と言う事になった。ここしばらく晴天続きで、コンディションの良い内に・・・との狙いもある。「こだわり」を持たねば、やはり何かを見失う気もする。「こだわり」に集中し、やり遂げれば何か見えてくるものでもあるまいか?そうも考える。しかし、そこまで行き見えてくるものに重きを置いているわけでもなく、ただ次を目指すための過程にしか過ぎない事も判っている。 「スプリングスカイルート」を選んだのも理由は無い。「初見ルートへの挑戦」というこだわりが選定を決するだけなのかも知れない。ただ、なにも変わらないのは、鉾に静かに鎮座する広大なスラブ・・・、そして今日の青い空である。
取り付きに立ち、登ったルートのラインは記憶している。これから登ろうとしているラインは、記憶に無い所のみを選定すれば、おのずから終了点へと導いてくれることだろう・・・。このテラスからのスタートは、残すところ「大滝左ルート」と、今日のルートだけとなった。 「じゃ、行きます。」いつもの小松の親分の掛け声から、その未知への旅は始まる。いきなり厳しい直上が我々を待っていた。気を引き締め直して、その上にある頂きを睨みつけた。
ルートを外していないかだけを気にしながらの登攀が続く。最小限の休憩で、次を目指すが、実に暑いスラブとなってきた。水分を取らないとイケナイが、今日は1Lでは足りない気もした。節約しながらの摂取で、スプリングスカイルートとしての最後のピッチを迎えた。
実に厳しいルート核心となるピッチだった。「どうしたら?」「何をしたら?」 頭の中で、今までの経験を引っ張り出そうとしても真っ白の頭である。2人が突破するのに、このピッチだけで50分もかかってしまった。当然だ!泥と草で埋まった手の入らないフレークに、なんとかフレンズをねじ込み、剥がれそうなブッシュのハングを、手をキズだらけにして小松の親分は突破したのだ。スプリングスカイルートの最終ピッチは、なんだか疲労困憊だった。終了点に立つと、今度はKYCルートのコーナーが、ケタケタ笑うように頭上に聳えていた。
登攀が終了となる2の坊主から、いったいどっちに歩けばいいんだ?と、1の坊主へ岩を伝い歩くと、あれれ(◎_◎)、なんと5m先に山頂標識があった!これで晴れて雌鉾岳のピークを踏んだことになった(#^.^#) 近くにフィクスされたロープを降りると、5分で大滝上流に降り立つ。なぁ〜んか感激だなぁ〜・・・・・。変な感動がある。沢伝いに上流へ歩くと、少し行き過ぎて赤テープを見失った。林道まで突き当たろうか!とも思ったが、あえて登山道を探そうと、しばし後戻り・・・すぐに見つけて林道へ出た。また、5分もあるけば、下降路となる地点にケルンが積んであり、森に突入すると立派な登山道があった。自然豊かな森だと感じながら下降した。鉾立谷の上流部の渡渉地点に来ると、間もなくピークを迎えようとしている木々と渓流が、深いやすらぎを与えてくれた。、
いつもより、30分長い下山路となった。でも、高ぶった感覚をクールダウンさせるのには、とてもいい。歩く足は辛いが、気分はとても癒されていた。岩登り・・・いや、遊びに来て重い気持ちを抱くのも変な話だが、今日は、実にそんな気分で終了点を迎えた。それを一つ一つ確認するように、下山道を歩いた。いつもの登山道に合流する頃、ようやく次のチャレンジへの意欲が出来てきた。 「スプリングスカイルート」手強い、実に手強いルートだった。そして、そんなルートを私達は旅したのだ。
6:30自宅発----佐土原駅----7:30都農神社----9:45鹿川キャンプ場----10:00入山----10:30取り付き----11:00登攀開始----14:35スプリングスカイの終了----KYCルートへ----15:35終了点/2の坊主----昼食----1の坊主/雌鉾岳山頂----16:10下山開始----16:15大滝源流----16:33林道----16:42登山道/渡渉点----17:23駐車位置下山----帰路----温泉休館---19:40自宅着
Copyright (C) 水流渓人 All Rights Reserved
〔BACK〕