水流渓人「hot-news」

2006年8月13−14日 「お盆な水流家の夏合宿/坊がつる・大船山」大分県
 

盆休みの前夜(12日)は、毎年恒例の同窓会があった。
今年も卒業以来の再会となった同級生がいた。
諸事情で、しばらく出席できなかった友も来てくれた。
私は、あの中学高校一貫の学校の卒業生で本当に良かったと思っている。
その学校に、今、長女・次女・長男が通っている。
それも、この上ない嬉しさである。
 
そして、翌朝自宅を出発し、家族6人が大きなリュックを登山口で背負った。

  
竹田市の星降る館からの久住連山・・・あれっ雲!
 
国民宿舎付近から素晴しい「阿蘇五岳」が望める。
  

 今年のお盆休みは、大阪の弟夫婦と合流が叶わなかった。何しようか?・・・キャンプ・・・なら、「坊がつる」がいいかなぁ〜。そのくらいに思っていた。もう、車を横付けできるキャンプは、我が家は卒業かな?と思っている。それもそれでいいのだけど、家族が泊まる・着る・食べる・・・一式を、家族で背負い歩く。自然の中で遊ばせてもらうと言う事・・・シンプルなスタイルに強い憧れがある。でも、坊がつるは水もあるし、近くの法華院温泉山荘には、温泉や自販機もあるのだが、静かなゆったりとした時間は約束される空間である。
 水を担がなくていいのは助かる。だが、坊がつるまでは家族で4Lは必要だろうと思う。坊がつるはこの時期でも朝晩は冷えるので、シュラフは安眠の必需品。食料は相変わらずレトルト物や、お菓子、ラーメン、ソーセージである。次男を5kg、長男・長女・次女を10kg以下、ママを10kgにすると、私のリュックは20kgを越えた。ボッカの練習をしたことのない私としては、いつも大変であるが、とにかく無言で耐えて歩くのみである。荷の重さを口にすると子供たちにバカにされそうだし、計画主としては痛いところである。

     
吉部方面へ 登山口で支度をする。
   

いよいよ出発だ!
       
吉部登山口(暮雨の滝経由) 杉林をテクテクと・・・
     
結構な急登が続く しばらくすると気持のいい自然林へと変わる

 時折、ザァーっと降り出す雨・・・。以前の坊がつるキャンプも大雨に会った。でも、子供達はあの時の雨がとても印象に残っているらしく、期待している口ぶりで楽しそうに話していた。あの時、川になった雨ヶ池コースの登山道を忘れられないそうだ。

   
「暮雨の滝」・・・雨でササ濁り
  
ヤブレガサの花 キツリフネ
  

 大船林道に出た。雨宿りをしたり、長い休憩をしたりしていたら、ここまで2時間20分もかかってしまった。ここから坊がつるまでは幅の広い林道歩きとなる。日も差してきて、子供たちもふざけながら、笑いながら、気がつくと4人の子供が横一列になって手をつないで歩いていた。ケンカばかりして、仲か良いのか悪いのか・・・姉妹兄弟の感覚は、一人っ子育ちの私には判らない・・・。

  
坊がつる到着した。向うに「法華院温泉山荘」が見えている。
   
水場近くにテントを張った。 夜は、恒例のトランプ大会!
 

 小型のタープも用意した。雨も楽しく過ごしたかったからだ。レトルトのおかずと、温めるだけのご飯、足りないのでラーメン・・・いつもの外食を楽しみながら、タープを打つ雨音を聞いた。暗くなり始めると、子供たちお待ち兼ねの「トランプ大会」が始まった。私は、その声を聞きながらテントに入らずタープの下で、シートに寝そべっていた。草のクッションが心地いい。この心地よさと状況に、ビールすら欲しいと思わなかった。少し肌寒いぐらいの気温は、真夏の別天地である。隣にチョコンと立てた小さなツエルトに、私とママは寝た。深夜、テントから出てみたら眩しい月明かりと、それでも良く見えている満天の星空である。明日はいい天気になる・・・。
 私の隣で寝ているはずのママは、ひどい吐気で眠れずにいた。つらそうな声を聞きながら、私はふぅっと寝たり、目を覚ましたりしながら、明日の事を考えていた。ママの症状が、これ以上ひどくなる様なら2泊の予定を1泊にしよう・・・。大船山には登らず、朝に撤収しようか・・・。今、満点の星空の下で、家族全員で寝ている。明日朝、撤収となってもそれも家族全員でなす事には変わりない・・・と。

   

朝の坊がつる・・・360度のパノラマ クリック!
 

 私がテントから出ると、子供たちが一人ずつ起き出して来た。何も言っていないので、皆、大船山には登るつもりでいる。(いや、登らなくてはイケナイつもりでいる。)食料をゴソゴソ引っ張り出しては、あれこれ食べながら朝食を済ませる。まだテントから出てこないママに声をかけてみる。やはり辛そうだが、私と子供たちだけ大船山に登り、昼までには戻る提案をする。なんか可哀相な気もしたが、その時点で誰にも言わなかったが、1泊で戻るつもりでの意見だった。

     
非難小屋横が大船山のルート 日陰の中を歩ける。
視界が開け、坊がつるの自分達のテントが見えた! ママ、大丈夫かな?
      
シモツケソウ 段原に到着した。
   

写真クリックで拡大
段原と山頂の中間部よりのパノラマ(左端が大船山山頂)
 
段原の全容が見える。
 
大船山山頂で、「大船山」のプレートを眺める子供たち・・・絶景だった。
  

 山頂の風は涼しくて気持ちよかった。久住高原から阿蘇にかけては雲に覆われているが、大船山から眺める久住連山はすこぶる快晴である。雲も、白口岳と大船山の間を越えてはいない。時折、雲間から祖母傾が見え隠れしていた。持ってきた食料を皆で頬張りながら、しばらくのんびりした。
 そして、下山。下りの遅い次男と私は降りる。姉兄達は、先にぐんぐん降りていくが、時折、私達が追いつくのを待っている。

        
岩に貼り付けられた三角点のプレート 山頂下に見える「御池」
   
ワレモコウ イヨフウロ
   
坊がつるに降りた。 真っ先にママの様子を確認する。
   

 ママは、まだ辛そうにしていた。「よし!夕方戻ろう!」という私の提案に、このキャンプを楽しみにしていた息子達が、「エー?」と一回だけ言った。子供達は、法華院山荘まで行き、胃腸薬を1錠10円で買ってきた。本当はジュースも買ってくる予定だったが、「高いから止めた!」と言った。やはり、我が家の中心には母親がいるのだと思う。なんか冴えないムードである。しばらくすると、飲んだ薬が少し効いてきたのか、何か食べておかないと歩けないかも・・・と、食料を口にした。ここから吉部までは1時間半・・・いや、我が家は2時間、荷を背負って歩かなくてはならない。

 
  
救難ヘリと救急車・・・何か事故でもあったのだろうか?
  
集合したわけでなく偶然会った仲間達(^^)
ヤマメさん、わたすげさん、百名山さん、POPOPOさん、ほたるさん、じんさん
 

 久しぶりの再会に、本当は今夜一緒に飲みたい気持ち一杯だったが、先に失礼の挨拶をした。ママの荷物を極力軽くすると、食料は減ったはずなのに私の荷物はさらに重くなってしまった。またの再会を約束して坊がつるを後にした。

 

撤収後、大船山をバックに集合写真
 
坊がつるの草原の中を歩く 大船林道の子供たち
 
橋を過ぎ、しばらく行った所から近道へ ゲートのある橋に飛び出す。
   

 近道に入った沢沿いの道は、気持のいい自然林だった。夕方だったので、ママや子供たちは少し恐がっていたが、実に気持いい森だった。だんだんとママは回復傾向にある。原因は不明だが、とりあえず温泉だ!その後は、どこかで食事をしよう!と言う事になった。吉部から一番近い「まきばの温泉館」に飛び込んだ。
 帰路、通りがかった緒方町平野一帯が、13000本の灯りで幻想的なムードだった。250年続く伝統行事「小松明火祭り」に出くわす事が出来た。
 車の中で、まだ2日残る盆休みをどうやって遊ぼうか話し合った。そして、今年もまた素晴しい家族の思い出が残る・・・。

    
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【13日】8:00自宅発----9:30延岡市----11:45竹田・星降る館----12:10長者原----12:40吉部登山口----14:20暮雨の滝---15:00大船林道----15:30坊がつる----泊

【14日】5:30起床----朝食----7:35大船山登山開始----9:05段原----9:35山頂----休憩----10:15下山開始----12:05下山・坊がつる着----休憩----撤収----16:55帰路・坊がつる発----大船林道---近道----ゲートのある橋---18:50吉部登山口駐車場----まきばの温泉館----三重町/夕食----11:45自宅着

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