水流渓人「hot-news」

2005年11月16日 「庵の滝ルート・雌鉾岳/水曜登攀隊」宮崎県

 

雌鉾スラブ・シリーズ第6弾
少し寒くなって来たけど、もっと寒くなる前に行ってこう・・・と、来ましたd(-_^)good!!
   
     
いつも写真を写す場所 11/9 11/2 10/26 10/19
  

 月曜日、小松の親分は・・・また「四月の風ルート」を登った。雨の予報にも関わらず良く行くよなぁ〜スンゲーもちべーしょんである。
 という背景での水曜日である。車に乗り込むなり、「庵シリーズ」というのがありますよ!と、いつもの藪山澤好さんのHPをプリントして持ってきた。目は「庵の滝」という所を見ているので、聞かなくても「そこ」を登るのだなぁ〜と、リードがそこを行けば、従わなくてはならないセカンドである(^^;)。しかし、その「登り」があるからこそ私のレポートが続々と増えるのである(^-^)。小松の親分と都合が合わなければ、私はせっせと「大長征ルート」の記録を、この狭く少ないcapacityで、あれこれ捻出せざるを得ない・・・(^^;)。
 で、その藪山さんの記述が、「出だしのラインは、クラックの右側のスラブにつけられているが、作為的に過ぎるかもしれない。「KYCルート」と同じクラックを登る方が自然だろう。」となっている。「作為的」と言う言葉に、妙に惹かれてしまった。ラインは、KYCルートを登った時に確認していたし、こんなところにピンがあるのは・・・と、「庵の滝ルート」を意識した。これは、ルートがどうのこうのと言う前に、藪山さんの「作為的」という魅力タップリの表現に参ってしまった。「作為的?」「えっ?どう作為的なんだ?」「登ってみにゃその作為さが判らん!」と話と気持は発展するのである。

  
紅葉もハラハラ落ちるぅ〜私の髪の様〜。 取り付き付近に残る紅色

青空に雌鉾の白いスラブは良く似合う(^_-)〜☆
  
   
1P/45m/VI- 1Pの終了点
  

 今日は、ずいぶん体が軽く(体重は変化なく・・・)、いつも取り付きまで2回の小休止を1回ですんだ。しかし、取り付きで40分もかけて準備をしてしまった(-_^;。
 「作為的」と表現された1P。クラック下のほぼフェースを登る。簡単なトラバースの後、草で隠れた垂直のクラックを登る。もろい感じが怖さを増すが、いかにも「やるな!」の設定に感心して、さらにスラブを40m登る。1P登り終わって、印象に残るのはやはり「作為的」な箇所であり、私としてはそれがいい感じであり、藪山さんが「作為的」と表現した事で、さらにこのピッチの価値を上げている気がした。
 吹く風が少し寒い。1Pの終了点は滝に近づくので、風が吹くとしぶきがかかる。それにしても今日は、遠くまで視界が効き、青空の色が実にいい!

  
  
たまには僕も写してよ!と1枚。 2P/VI-はフェースからバンド〜スラブ
     

        @・・・小松の親分はミウラーを好む。
        A・・・最近2人で買った9mmロープ。ベアール。
        B・・・常時携帯するテープアブミ。
        C・・・ルベルソ。私には一番使いやすいかなぁ。
        D・・・デイジーチェーン。セルフビレイのバックアップに。
        E・・・鉾や比叡で重宝するマイクロナッツ。ボルトの穴大。

 だから「何なのだ?」という「解説」である。実は「何でもない。」のである。ただ、毎週似た景色の中を似た記録を書いているので、「ははぁ〜ん!解説が書いてあった記録が庵の滝ルートの記録だったなあ〜!」と、自分でも判りよくする為の事である。
 別に「フリーで・・・。」とか「A0で・・・。」とのルート設定であるにも関わらず、水流渓人はアブミを使っている(^o^;)・・・ということをアピールしている訳(@_@)でもない。水流渓人は疲れない登りをしないと小松の親分・・・いや、水曜登攀隊の完登が成しえないのである(^o^;)。ベツニジマンスルコトデモイノダガ・・・

  
視界が良く効く日だねぇ〜。 1・2の坊主を見上げる
2Pの終了点もグッと滝に近い 3P/VII+このピン付近が渋い
     

 3Pでブッシュを抜けると休憩に格好の草付テラスである。行動食を取り、水分を補給した。今回、順調なペースで来ているので「しばらくぶりに、温泉へ・・・。」と思っていた。こんないい日・・・って、めったにないなぁ〜と思えるぐらいいい日である。
 4P/IVと書いてあるので、私がヒョイヒョイ行かせてもらい中央バンド。ビレー点に立つと、お馴染み大長征ルート(大滝左ルート)の平行ピンが5mほど右に見える。そのまますぐに5P/V-に小松の親分が取り付く。割れて今にも剥離落下しそうな極薄フレークが抑えるとミリミリ言うし、立つとパリパリ言う。精神的にはV-ではないぞ!と2人意見が一致!

  

 6P/VII+/20m。「これはフェースではないのか?」と思う。その傾斜の強いスラブを、小松の親分はA0で登る。3ピン〜4ピンが、ピンに立っても届かない設定にしてある。しかし、フリー化されているのだから凄まじい!岩粒・・・結晶を掴めて、それに立てる人なのだろう(◎_◎)。
 マイクロナッツにぶら下り4ピンを取ると、すぐに平行ピン。フォローの私はA1だが、この核心部はフォローでも登れずマイクロナッツのお世話になってしまった。外れそうで怖いが、エイヤー気分はフォローの身だからだろうナァ・・・(-o-;)。

 

  
最終7Pは、まずフレーク下を左トラバース そして、フレークを直上・・・。
  

 休憩を含めて3時間10分であった。結構テンポの良い登攀だったと思う。終了点から2の坊主・3の坊主の基部をたどり懸垂下降位置へたどる。私が先に行き、小松の親分を迎える。ロープを1本たたみ、もう1本は懸垂下降用にセットする。懸垂15mほどで下降路へ着地する。ギアを整理しリュックに入れると遅い昼食を食べた。周辺の紅葉はすでに終わっているが、下鹿川の集落辺りは薄いコントラストである。それより、葉を落とした鬼の目山方面の稜線が、樹氷みたいに白い樹皮が綺麗である。
 来週は、所属山岳会主催の「市民ハイキング」なので水曜登攀隊は休みですねぇ〜なんて喋りながら、季節柄、次回は「晩秋の秋ルート」でしょうかぁ〜なんて提案したり納得したりする。固定ロープを下降するのもずいぶん慣れてきた。

   

懸垂下降地点のテラスから稜線を見ると、白くなった樹皮が樹氷の様だ!
     
ホィ!下山完了。
  

 「庵の滝ルート」5級/255m 1994年10月2日の開拓と、日本の岩場に書かれている。鉾岳の岩場は、一見一枚岩迫力はあるが、繊細に見て楽しめるのは、岩を登る者だけであろう・・・。案外、クライマーという存在は、「極度のロマンチスト」なのではないだろうか・・・と思う。スラブの少しの変化を、ホールドやスタンスに見出し、クラック(岩の割れ目)に手を入れてはウットリとし、自分で泣きそうな所に身を置いて緊張を楽しんだりしている。
 クライマーという言葉に、私は特別思いいれは無く、自分ではそんな強い人間では無いと言いながらも、気持のどこかで憧れている。でも、つべこべ言うのは、自問自答の世界の事で、口から出る言葉は・・・
「次は、どこ登ります?」
なのである。いい気なものだと言われれば、そんな気もする。

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自宅6:30----佐土原駅----都農神社7:30----鹿川キャンプ場----入山9:45----取り付き10:30----登攀開始11:10----中央バンド13:05----2の坊主・登攀終了14:20----下降路へ----昼食----下山14:55-----下山完了15:35----帰路----日向お舟出の湯----自宅18:50

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