水流渓人「hot-news」

2005年9月19日 「大長征ルート・鉾岳/長崎の友と攀じる」宮崎県

 


 
  
3年ぶりにご一緒できました!
   

 良く考えてみれば、2ヵ月ぶりの岩登りである。この夏、なんとか「家族沢登り」は計画できたが、財政難や盆休みのタイミングの悪さや、家人の手術・入院やらで、遊びとは違う煩雑さがあった。でも、家族としてのつながりは深いものを感じる事が出来た夏でもあった。
 9月に入り、私としては少ない祭日の休みを岩登りに当てた。かねてから誘っていた長崎労山の知り合いに、また誘いの携帯メールを送ると、なんと「よろしく!」との返信を頂いた。ご長女が、宮崎の大学に進学され、此処の所山以外で親睦を深めていたが、ようやくロープを繋げるチャンスを頂いた。
 私は18・19日と休みを取っていたが、18日は次女の中学の運動会である。運動会弁当担当の私としては、外す訳にはいかない。ましてや、我が母校でもあるので、俄か同窓会や恩師の先生方にもお会いしたい。・・・というわけで、18日の夜から比叡の「麓屋」で落ち合う段取りとした。

  
折りしも「中秋の名月」である。 朝、比叡3峰と矢筈岳
     

 長崎のご夫婦・・・、そう長崎の兄貴分の山仲間であり、所属会の上部団体である「日本勤労者山岳連盟」のつながりでも有る。「プルージックしげさん」「ヌンチャクお春さん」ご夫婦。17日は、娘さんの所でのんびり過ごされ、18日には比叡入りし念願の「ニードルルート」を2人で初見チャレンジされていた。もちろん大成功である。
 遅れて到着した私を迎えて、何より先にビールで乾杯である。話はつきない・・・。「そうそう・・・。」と言いつつ、見忘れそうになった「十五夜」を3人で愛でた。明日のクライミングに思いを馳せながら、少し早めにシュラフへ倒れこんだ。
 

   

朝食を済ませ、1台で登山口となる「上鹿川キャンプ場」を目指す。

   

取り付きまでは、40分程度。 ヒーハー言い始める頃に看板!
     
初めて見る一枚岩の大スラブにため息をもらすプルージックしげさん。
   
さぁ!プルージックしげさんの初見オールリードが始まった!

   

1P、45mでピン1本に驚かれていた! 中央バンド?しわ?へ向う!!
     
     

 素晴らしいリードが続く!日頃のたゆまぬ練習の成果は素晴らしいと思う!ご本人は、「怖いですねぇ!」などと言われていたが、安定した登りと鋭いルートファインディングはさすがである。また、ご夫婦なだけに、緊張感はあるがとても絶妙のパートナーシップである。本日、もう一本に薄汚い「ハゲ親父@スラ豚」の水流ちゃんが、モチャモチャと繋がっているのが、どうも美しい鉾のスラブに不似合いだが、それは許してもらおう(-_^;・・・。

  
久しぶりの山?クライミング?なんて言っていたが、
なかなかどうして、軽い柔軟な動きは安定している。
トラヴァースの核心部を上手いスメアリングで通過していく・・・ヌンチャクお春姫(^^;)
     
  

 美しいトラヴァースルートから、今度は大滝左ルートに移るのが「大長征ルート」であり、ほぼこの大スラブをはしからはしまでズズッズイッと舐めるように登っていく。一の坊主の基部へ直上する2ピッチが、このルートの核心部となる。独特の、結晶粒拾いのデリケートな登りが要求される。
 多少慎重な動きではあるものの、プルージックしげさんのリードは安定したいた。スパイダーマンよろしく、手と足がとんでもない所まで届く・・・延びる・・・(◎_◎)。素晴らしい動きである。手は短いが足は長いと、46年間信じていた水流ちゃんも(^_-)〜☆真似してみようとしてはみたが、フォローでも出来ない動きだと判り、いつものようにとにかく短い細かい動きで、その結晶粒ホールド・スタンスをエンヤコラサッサッサと拾って行ったのだ(-_-メ))

  
  
フォローするヌンチャクお春女史! 2の坊主の頂上にて・・・
  

 1月に左足のカカトを骨折して以降、どうも左足の調子が悪い。いろいろ調べてみると足底筋膜炎みたいだ。カカトの着かないクライミング中は緊張も伴い判らないが、ビレー位置でジンワリと痛みが襲う。特に下山は地獄であるが、好きなものは止められないでいるバカ者でもある。少し、太りすぎの体重がアプローチで大変かと心配したが、なんとも大丈夫だった。登攀後のフィックスをたどる下降路もなんとか大丈夫だった。たぶん、長崎のお2人と楽しい時間を過ごしているので、感じなかったのだろう・・・。
 無事に登山口となる「上鹿川キャンプ場」駐車場に戻った。満足げなお2人の顔を見ていたら、嬉しくなってきた。麓屋に戻り、再会を誓って別れる。

  

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  帰路、台風14号での災害場面に出くわした。
五ヶ瀬川に架かる高千穂鉄道の鉄橋がもぎ取っていた。
災害は、水曜登攀隊にも影響を及ぼしている(-o-;)

 

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