水流渓人「hot-news」

2004年11月24日 「水曜登攀隊ラストフロンティアルート/比叡3峰」宮崎県
 


 

  
あぁ〜っ! きびしいぃ〜っ!

 
 前日、山岳会の会長と比叡に行き、スタスタと登り、パタパタと下山し、シャァーッと温泉に行き、3時には自宅に戻っていた。車を2台洗い、ワックスをかけた。ビールを飲んでいたら、電話が鳴った。
「明日は、ライトフロンティアをやりましょう!何時にしましょうか・・・?」
と、水曜登攀隊の出勤時間が決定した。
 娘2人は、前日の勤労感謝の日が参観日で、水曜日は代休・・・。また、ママは弁当を作ってくれた。少し冷え込むと、いつも調子の悪くなる走行距離198,000キロのデリカは、月曜日にドック入りから帰還し、一発でエンジンをスタートさせた。
 

あ〜、朝焼けだぁ〜 有名な比叡III峰の名水

 朝焼け・・・?ひょっとして少し雲が覆うかナァ・・・などと思いつつ、待ち合わせの都農神社に到着すると、まだ小松の親分は来ていなかった。今朝飲み忘れたコーヒー・・・、自販機で2缶買ってくつろいでいたら、用足しに行きたくなった。やれやれと紙を握り締め、しばし朝の張り詰めた空気に御尻をさらして見た。車に戻ると、小松の親分がセットされたように助手席に座っていた。
 いつもは、III峰のトンネルを過ぎた空地に駐車するのだが、なんとなく水場に駐車してみた。あれこれ思っても仕方ないので、スッタスッタと取り付きに向かう・・・・・3分で到着である。
 


取り付きから見上げると、ラストフロンティアは見えていない。

  
 ルート図を見ながら、ギアをセットしロープを結ぶ。
 
 1P 30m III+(5.1) バンドをつなぎ右上(左方カンテノーマルのライン)
 2P 50m 5.10b  階段状から傾斜の強い小フェイス、短い凹角から
             スラブ壁を直上し、小カンテからスラブ帯の末端へ
 3P 35m 5.10b- スラブ帯の左寄りを登り、短いレイバックから、
             短いが傾斜の強いスラブを直上して草付バンドを左上する
 4P 25m 5.10b+ 短いフェースから左にでて、短いが傾斜の強いスラブ壁を直上する
 5P 35m 5.10c  比叡の果てライン
 
 ルート図を見ても、去年だったら考えられないグレードの登攀である。アブミをぶら下げているものの、自信はまったく無く・・・。考えず上へ上へとズリ上がるのみである。最近、少しばかりは潔くなって来た様な気もする(^^;)
 

1P/III+は水流ちゃんのリードで ニードルを見る
    
 
 
2P/5.10b しかも50mの一杯ルートをリードする小松の親分

 
 左に「左方カンテノーマル・ルート」(残念だが、私はここは未登っす(-o-;))、右に「白亜スラブ・ルート」を見ながら、なんとも困難な形をした岩を見上げる。実に、複雑な形のパズルを解明するかの様なルートである。小松の親分が時間をかけてフリーにこだわるが、A0になってしまう。フォローしてみると、重心がわからなくなり複雑なムーブになり、迷わずフィフィ付アブミで乗り切る。それでも、腕はパンパンである。
 

1Pを登り終えて下を見る! 小松の親分下方に紅葉の図
     

3P 5.10b+をリードする小松の親分

  
 3Pも、実に絶妙なピン位置である。最後の傾斜の強いスラブが、素晴らしい設定である。言いたいが、ここに書くと初見挑戦の方達の楽しみを減らす気がするので、あえて特筆しないが、言いたいナァ・・・でも、言わないヾ(^^ )
 時々、ピンを取ろうとする少し手前にピン穴がある。でもピンは無い。多分、開拓の時に何か利用するための穴?たとえばナッツを差し込んで更に上にピンを打つ為・・・??かなぁと心理的に思っている。そう言えば、私もあの穴にスッポリのナッツを持っている。あの穴の利用価値や位置を覚えれば、ひょっとして水流ちゃんリード(◎_◎)なんて事にでもなった時に、有効かも知れない・・・が、まず無理だナァq(-_-)bad!!・・・などとブツブツ思いながら、かつて左方カンテバリエーションルートを登った時と同じテラスに立つ。
 


ラストフロンティア終了点から、西都山岳会のクライミングベース「麓屋」が見える
 
比叡の果て5.10cラインへとつなぐ
 

 一応、「ラストフロンティア・ルート」は登りきったが、上に抜けるにはもう1ピッチ登らなくてはならない。ここからは、以前登った「左方カンテバリエーション」の45m/VI-級か、「比叡の果て」(未登)の35m/5.10cである。いつもだが、小松の親分が取り付くのは必ず難しい方・・・、5.10cである。核心の1ピン。とうとうフリーで取ったが、そこからA0になってしまった。でも、フリーでの糸口はつかんだと嬉しそうにしていた。終了点テラスで、ギアをリュックに仕舞い、遅い昼食。15時。
 

終了平行ピン 自動シャッター無理で、合成写真
小松の親分は、傷だらけの手の平をかざす!
 

 本当に、満足の行く「水曜登攀隊」の活動である。今年も充実の1年だなぁ・・・なんて、2人でしみじみ語り合いながら、次回のルートは?なんて話もする。下降路は、倒木で歩きにくくなっているが、10分で車道である。水場に戻り、旨い水で今日を締めくくった。
 帰路、1峰の駐車場で、庵のKYさんとまた会えた。福岡の所属会の女性お2人(しかも、名の通った有名なお二人・・・(^-^))と、「奥の細道+ニードル」を登られたそうだ。初対面の方、特に女性にはすかさず水流渓人宣伝名刺を押し付け、スマイルスマイル!!で、お別れしてきた。
 

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