水流渓人「hot-news」

2004年11月9日 「夫婦で歩く、雨の双石山(ぼろいしやま)」宮崎県
 


 

今回のコース地図→134KB

 
 久しぶりの火・水曜日連休である。明日は、仲間と比叡へクライミングに行く計画であるが、どうも雨で中止になる可能性が高い。先週、息子とのクライミングを断ったママを、近場の山歩きに誘ったら付き合ってくれた。しかし、すでに雨が降り始めていた。
 ママは、朝食と弁当を作り、娘達を駅へ送る。往復40〜50分の距離である。戻って、息子達に朝食を食べさせ登校させる。洗濯をする。いつも大変だナァと思うが、なかなか手伝ってあげる事も少ない。おまけに、我儘なダンナが、雨が降っているにも関わらず「山歩き」に付き合え!と言うのだから、傍目には理解できないかもしれない。でも、それでも山を歩けば・・・、そして、そんな中で夫婦2人で歩けば・・・、そういう価値観は共有しているのである。たいしたオカズは入って無いが、手作りの弁当にこだわるのも、共通の価値観である。でも判らない人には判らない・・・それでいい。
 「本当に歩くん?」と、宮崎市内を抜け、巨人軍がキャンプ練習をする木花のサンマリンスタジアム近くを通過するとき聞いた。「歩くに決まっているが・・・。そのためにカッパまで持ってきたっちゃが!」隣で、あきらめ顔で笑っているママである。すでに、ワイパーをHiで作動させている。
 
 加江田渓谷入口の「丸野駐車場」に到着した。少し雨足は弱まってきた。我家が所有する唯一のゴアテックスのカッパをママに渡した。私は、長年使用し、防水効果は少ないが、サウナ効果はバツグン・・・、小雨なら着ないほうが濡れない・・・という、IBS製のカッパを着る。でも、九州の山でならゴアテックスでなくても、下着次第で大丈夫だと思う。いや、カッパ論をしている場合では無い。カッパは水流渓人の頭だけでいい・・・って・・・その通りヾ(^^ )って、アホカァ(-_-メ)。
 いつも、自分のリュックに基本装備と食料は欠かさないママだが、今日は側から離れない・・・と頼み込んで、空身で歩いてもらうことにする。数日見ていて、その方が良さそうだったからであるが、丸野駐車場から塩鶴登山口までの車道歩きは、適当なウォーミングアップになり、「第一展望台」の塩鶴神社の社までは、順調に歩いた。軒先で、しばしカッパを脱ぎ、水分補給をした。当然、小雨になったので私は、そのカッパの上着脱ぎをリュックに縛り付け歩く事にした。d(-_^)good!!
 


第一展望所を過ぎるとすぐにある、奇岩(天狗岩)に囲まれた「針の耳神社」
   
針の耳神社の奇岩を見上げるママ そして、「針の耳」をくぐるママの尻(^^;)
 

針の耳をくぐり大岩に囲まれた空池へ下る
針の耳を抜け、四方大岩に囲まれた「空池」へ

 
 双石山は、それこそ宮崎市内からはすぐの距離である。いまでもロッククライミングのゲレンデとして、近郊の往年クライマー達が大切にしている。山の東を流れる「加江田渓谷」も、市民の憩いの場となっている。遊歩道が整備され、植物の宝庫である事も知られている。私の住む西都市からは、1時間程度の距離である。登山後、宮崎市内の中学校に通う娘達を拾って帰るのも便利な位置である。なんせ、私の初登山の山でもあるから愛着も深い。中学・高校の頃、バスや自転車を利用し、折に触れ登山やキャンプを楽しんだ、水流渓人を育んでくれたフィールドである。

 雨上がりで視界の無い第一展望所を抜けると、ここからが双石山のハイライトである。すぐに天狗岩と呼ばれる奇岩を背負った小さな社が見えてくる。「針の耳神社」である。長年の風雨による侵食で作られた奇岩はなんとも言えないほど素晴らしい。少し登り上がると、大岩に行く手をさえぎられるが、岩の隙間を通過することが出来る所がある。「針の耳」と呼ばれており、そこを抜けると大岩に四方を囲まれた「空池」に出る。吸い込まれそうな自然の織り成す景観に、何度来ても圧倒される場所である。この空池から見上げる狭い空が大好きである。あいにく、今日は雨粒が落ち薄暗い。奥に進むと、大きなチョックストーンの下を右に通過できる。
 空池を過ぎると、「尾根コース」と「谷コース」に分かれる。谷コースの右奥は、昔から「象の墓場」と呼ばれる所で、ここも双石山の名所であるが、薄暗いので、迷わず尾根コースへ進む。フィックスロープも設置されているが、木の根が階段状になり、滑る事も無く歩きやすい。ママも、第一展望所を過ぎてからは、順調な足取りである。何より、景観を楽しみながら歩けるので、「ここは、楽しいわぁ〜!」を連発してくれた。
 途中出くわす「大岩」は、登ると宮崎市内・日向灘が一望なのだが、今日は濡れていて、いつも慎重なママの一言で、次回に回し・・・(-o-;)となった。ほどなくで、第二展望所に到着した。

 
尾根コースの急登を行く 絶景ポイントの「大岩」
     


第二展望所から、宮崎市内を望む。あいにく、雨上がりで海が見えなかった。

 
今回のコース地図→
134KB

 第三展望所で記念撮影。夫婦形態を表現するには、上の写真の様に、ママより少し後方に位置し、控えめに猫背で写真に写ると、「尻に敷かれているゾ!(-_^;」と見える。また、装備も、ママに上等なゴアテックスのカッパを着せるのも効果的。どうも、知り合いや交友関係に、「面倒見の良いだんな様」「やさしい夫」「嫁さん大好き夫」「だんなを尻に敷く嫁」・・・と良く言われるのは、こうした演出と、好き勝手に書く(案外、勝手な解釈をされる読み手側もあるのだが・・・)水流渓人のホームページの影響もあるみたい(^_^ゞ

     
意味は無いが、「沢カニ」 硫黄谷へ下る

硫黄谷手前で出会った滝
  


硫黄成分が含まれた冷泉の流れる「硫黄谷」


今回のコース地図→
134KB
 

 第三展望所からは、双石山の山頂へは行かず、加江田渓谷側へ下山した。自然林の中は、近郊にして深山の趣である。いつまで歩いても飽きないのは、自然が本当に濃く素晴らしい証拠である。結構続くアップダウンに、私の方が、空腹で参ってしまった。硫黄谷の休憩所で弁当を食べようと計画していたが、行動食の補給を意識していなかったのがまずかった。クラッカーとビスケットを頬張り、水分を取ると元気になった。
 沢音が大きくなり、梯子が現れると、少しで「硫黄谷」の休憩所が見えてきた。新設されたトイレと東屋があった。家で沸かした熱いお茶と弁当・・・。何も言う事は無い。何も言う事は無いのは、満ち足りていると言う事・・・。買ったコンビニ弁当なら、いつも文句を言ってしまう。やはり、何も言う事が無いのがいい。
 
 「ちょっと買い物でもしてたら、あの子達が帰る時間になるわ!」
3時過ぎたのを確認し、加江田渓谷の遊歩道を丸野駐車場へ急いだ。
 

登山日記のページへ
 

 Copyright (C) 水流渓人 All Rights Reserved  

BACK

inserted by FC2 system