水流渓人「hot-news」

2004年10月11日 「家族で霧島縦走」宮崎県
 

  
山登りを始めた頃、霧島へは良く通った。
長男が3歳の体育の日に、次男を親戚にあずけての縦走・・・。
家族のリーダーであるべきを確認するために歩いた、親父1人の縦走・・・。
ある意味、霧島の山々は我が家の登山のバロメーターでもある。
今年、家族登山も機会に恵まれず、4月でストップしている。
そして、ママの体調不良。
ずいぶん決行を迷ったが、家族を自然の懐にゆだねてみる事にした。
 

7年ぶりに家族で霧島を歩く。
しかも、今回も「体育の日」である。
そして、次男を交え、家族6人で歩く霧島には深い意義がある。
子供の年齢幅は、長女14歳〜次男8歳。
中学3年生と小学3年生では、精神的な幅があると思う。
ましてや、家族全員で行動すると言う事の場を「登山」いうスタイルである。
一般的に、そろそろ子供が一緒に付き合わなくて・・・などと声を聞く。
そうかな?と思う。
家族全員でする「何か」に対し、親は手を抜いていないだろうか?
我が家も、子供達は「登山」は好きな方ではなく「嫌い」である。
じゃ、なぜついて来るのか?一緒に登るのか?
断定は出来ないが、家族の絆の様な気さえする。
突然言い出して出来ることではないと思う。
我が家の家族登山も、今年で8年を迎えている。
でも、実行し続けてきた。
同じ歩幅で・・・

  
韓国登山口から歩き始める頃、ススキの穂を銀色に染める朝日が山陰から顔を出す。 少し色づき始めた木々の葉をくぐる
     

 3合目付近から振り返ると視界が広がる。左手前に「不動池」、中央手前に「硫黄山」、右に「甑岳」、奥に「雲海」が広がる。霧島に来て、この景色を眺め、誰が文句を言うはずがあるまい。

     
5合目で小休止。ここかも勾配も緩くなる。 むこうに「桜島」「錦江湾」、手前に「大浪池」
   

子供達も順調なペース。そして、なにより嬉しいのはママの順調なペース。

大浪池をバックに、次女・次男 続いて、ママ・長女・長男

 いいペースで韓国岳山頂までたどり着く。天気のおかげで、今日もこの上ない景色を見る事が出来た。体調すぐれぬママであったが、それでも1時間38分で登れば立派である。そして、笑顔が溢れていた。体調によっては韓国岳から引き返すかも・・といっていたが、山頂三角点に1分ととどまらず、すでに足は縦走路を獅子戸岳へに向かっていた。足元に咲くたくさんのリンドウ、そして吹く秋の風、確かに家族6人でその中にいた。

 
韓国岳山頂より キリシマヒゴタイ
   
 

 韓国岳から獅子戸岳への下りにさしかかる。以前はひどいザレ場だったが、「霧島縦走線歩道再整備事業」の整備が進み、歩きやすくなっていた。風雨より人間の踏み跡での土砂流失がひどくなっているのは一目瞭然で、ありがたい整備だと感謝しながら通過させていただく。木立に入るまで、眼前にはこのパノラマが広がっている・・・。霧島縦走のハイライトである。

韓国岳からの下り 所々で紅葉が始まっていた。
   

獅子戸岳に家族一番乗りのガンバル次男!
   
新燃岳火口湖のエメラルドグリーンは健在 新燃岳火口縁の縦走路はルンルン歩き
新燃岳山頂にて 中岳山頂へは高千穂峰をフルスケールで眺めながら・・・
 

 韓国岳から獅子戸岳までは、ママのペースは極端にダウンした。下りが良くない。獅子戸岳への登りもじわじわである。先行していた私と次男は、獅子戸岳の山頂で後続を待った。しばらくして次女と長女が到着、ほどなくで長男の姿が見えた。「ママは?」「来てるよ!」遅いペースだが、笑顔である。しばし、獅子戸岳で小休止しながら新燃岳を眺め、お菓子を頬張り、家族でのおかしな話題に大うけ大笑いした。
 獅子戸岳を一気に下り、新燃岳へ一気に登る。その道が正面に見えていた。下り始めてママが左膝の痛みを訴え、持参のサポーターを巻く。ゆっくりでいい。ダブルストックで小さい歩幅であるが、足は前に出ていた。
 
 エメラルドグリーンの新燃岳火口湖を見下ろしながら歩く、火口縁は快適そのものである。子供達も4人で歌いながら、ゲームをしながら歩いている。
 新燃岳の山頂標識からは、木の階段が中岳へと続いている。正面には高千穂峰がドォーンと鎮座し、雄大である。行動食ばかりでここまで歩いてきたが、折角担ぎ上げた、私のリュックの5Lの水、そしてラーメンである。エンジンを囲み昼食とした。

   

 新燃岳からは、木の階段で中岳へ向かう。もう、ルンルン気分の子供たちは、大笑いしながら歌いながら駆け下りた。鞍部でしばしママを待つ。異常に遅い下りだが、無理をせずコントロールしているところはさすがである。表情は明るい。
 中岳の山頂で集合写真を写すと、ここからはゴールの高千穂河原は近い。全員で下山し始めるが、えびの高原へ残した車回収のためのバス発車時刻が近づいていた。ここを下れば、後は遊歩道・・・。私と次男が先行することにした。デジカメに表示する時計を信じ、走るように高千穂河原を目指した。私は、結構膝裏の筋が辛かった。手を引く次男は、文句も言わず終始おしゃべりをしていた。なんとか間に合う時間に到着し、念のため近くの人に時間を尋ねてみると、私のデジカメの内蔵時計は10分進んでいた。次男に「早く到着できたっちゃかい、良かったがねぇ〜!」と、なぐさめられつつ、リュックをバス停に置き、2人でトイレへ・・・。
 2時51分発のバスの乗客は、全員登山客である。隣で元気に話していた次男も、しばらくしていねむりを始めた。サラサラした頬をなでながら、ずいぶんたくましくなった事に感謝した。大浪池登山口で数名、えびの高原バスターミナルで大半、韓国岳登山口で私達を含めた数名が降車した。
  

高千穂河原到着! バス、発車!!
   

 車で高千穂河原に戻ると、ママ・長女・次女・長男が、駐車場手前の空き地に座り込んでいた。ここで、ようやく縦走完結を称え合う。ママ・長女は、私達より40分遅れの到着だったそうだ。
 車に乗り込んできたママが「さぁ!よう頑張ったから、『夢見が丘』でソフトクリーム食べようで!!」と号令をかけた・・・。

 

 このレポートを読んだママから、「ママ・・・、ママ・・・」と書くな(-_-メ)!おかしいから書くな(-_-#)!とお叱りを受けた。今、ママをママと呼ぶのは、子供は誰一人おらず、私でさえ「おかあさん。」とか、名前で読んだりしている。「ママ」と表現するのは、HP内で私がわざとそうしているだけである\(^o^)/。それでいいのである(^_-)〜☆。

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