水流渓人「hot-news」

2004年4月28日 「比叡山/ナックルスラブ・スーパールート登攀」宮崎県

水曜登攀隊・比叡山
「ナックルスラブ・スーパー」ルート登攀
初見ルートへ挑戦は続く!!

 ・・・で、どこ登ります?と、少し元気に聞いてみた水流渓人である。
なんせ前日の電話で、小松の親分はこう言ったからだ。「7日のナックルフェースに行って以来、20日も登っていないから・・・、明日はよろしく!!」と、言ったのだ。すかさず返ってきたのは、「ナックルスラブ」・・・でなく、「ナックルスラブ・スーパー」だった。なんだ!やる気満々じゃん
(こんな言葉は使わないが・・・)・・・と、怖がる私のクライミングとはいったい何なんだ(@_@)
 ・・・で、その水流渓人が、ホンマに登れたんかいな?フォローやから何とかなるわいな!と、言うべからずである。登ったわいな!ちゃんと!
 ・・・で、問題なのはアンタがまともに登れたか?っちゅう事やねん!『アンタ』ちゅうのは、水流渓人の事や!ほんで、『まともに』っちゅうのは、ええかげんな事せんで、ちゃんと登れたか?って聞いてんねん?ええか?何度も聞くが『ちゃんと』っちゅう事は、VI級やVI+級をフリーで登れたか?っちゅう事やねんで・・・。ワテは、ちぃとは判るんやで・・・!誰も見てへんから言うて、「登った!」「登った!」と大口きいてんのちゃうか?って事・・・。コラ!正直言うてみぃ!
登ったわいな!しっかり自分の肥満体で・・・。
「ほんまにか?肥満体やから言うて、他の人より特別に大変なんやてアピールしてへんか?ワテが聞いてんのは、チョンボしてへんか?言うことやねんで・・・。」
チョンボ?何、それ?人を馬鹿にしてるんか?!
「正直、言うてみぃ?逆切れしてもしゃぁないで・・・。自分の胸に手をあてて、よぉーく考えて答えや!」
何を疑っているか判らんけど、そりゃリードは出来んよ!小松の親分のセカンドで登らせて貰ってるからなぁ・・・。
「ちゃうやろ!ワテは、正直言うてみぃ・・・言うてんねん!」
そりゃ、きびしい核心は、少しピンに立ったりしたこともあるよ・・・。
「そうそう、そういうのをチョンボって言うんや!・・・で、少しか?」
そ、そりゃ、1本2本は利用させてもらった様な気はするけど・・・。
「しかし、あんたも往生際の悪いやっちゃなぁ・・・。1本?2本?・・・、様な気がする?」
いつも、正直に書いてるやないか・・・。疑っているんか?まるで、水流渓人がウソ書いてるみたいやないか!エエ加減にせぇよ!
「もう一回聞くでぇ・・・、ほんまに1本?2本?・・・、様な気がする?」

   

 あのなぁ・・・、まだ判らんか!人間、正直にならんとアカンでぇ・・・。「ルート図」は判る。判るけど、1P・4Pに訂正までしてるのはなんでや?そりゃ「IV」と「VI」は、書き間違いしそうな感じも、よー判る。せやさかい言うて、わざわざピンクでバッテンして、そこは「VI級」やで・・・、難しいんやで・・・言うて、目立たせるところがイヤラシイ・・・ちゅうてんねん。ホンマ、嫌味なヤッちゃなぁ〜(-_-#)

1P〜4Pがスーパールート、5P・6Pはノーマル。
 
1Pの小ハング手前で、ラインを探る小松の親分
 

正直、書きぃやぁ・・・正直にやで!!
 

 
お馴染みのTAカンテ・3KNルートの取り付きの右からスタートする。2日前の雨で濡れた部分もあるが、なんとかルートは大丈夫みたいだ。フリーにこだわる小松の親分・・・、もちろん彼も私も初見ルートのクライミングのスタートである。小ハングを乗り越してからの傾斜がきつい。それでも危なげなくリード成功・・・、立ち木に支点をとって「登って来い!」のコールを受ける。
 
 続いて水流ちゃん、ダブルロープで確保された中でのクライミングは、安心。・・・であるが、ピンを本利用(利用でなくチョンボと言え!)させていただき立たせていただきました。ヌンチャクを2度握らせていただき、後はフリー(本当は最初からフリー)で登り上がりました。やはり、VI級は難しい(^o^;)

 

2P/V- ホールド・スタンスは乏しい・・・
 

正直、書きぃやぁ・・・正直にやで!!
 

 2P/V-級、3P/V+級の傾斜が緩く感じてしまう(^^)・・・と、言ったのは水流渓人でなく小松の親分・・・。
(別にそんなことで、正直さをアピールしなくてもいいのだが・・・)しかし、あの1Pの後だから、私も少し登りやすく感じてしまう(#^.^#)。ピンにも立たず、ピンも握らず完全にフリーで登る。(自画自賛させるとキリが無い水流渓人でもある。)ただ、2Pも3Pもビレー位置が顕著なテラスでない(そんなこと、お前が文句言わなくても良いのではないか?)ので、長い確保(確保されているのはアンタの方ではないか?)は辛くなる。

   

4P・VI+/
核心を越える小松の親分
   

正直、書きぃやぁ・・・正直にやで!!
  
いよいよ4P/VI+のフェースである。基部から、強い傾斜のフェースを見上げると、ラインを想像しながら取り付いた。(小松の親分が・・・である。)2本目から3本目のムーブを解決するのに少し時間をかけたが、思い切ったムーブで乗り切り、上のスラブへ乗り上がる所でレスト・・・。乗り越し、35mぐらいロープの出たところで「ビレー解除!」の声が届いた。トポでは45mとなっていたので、「?」と思ったが、初見のルートでのクライミングでは、立ち木であったり、フレンズでの確保であったりするのは多い事である。
 
 「登って来い!」の声が届く。実に1本目のヌンチャクを外し、立ち込もうとするが、傾斜のきつさにスタンスがズリそうに感じる。くそぉ・・・と思いながら、左足はピンに立ってしまった。
(そう、正直!)ホールドが取れない、落ちそう・・・と思いつつ、右手が2ピン目のヌンチャクをつかんでいた(ちゃうやろ!意識的に摑んだんやろ!)それでも立ち込めない・・・。恐々、ヌンチャクの上に足をズリ上げ(ヌンチャクの上て言うたら、ピンに立った!と言うことヤンカ!)、3ピン目のヌンチャクを握ろうと立ち上がる。(ずいぶん正直になってきたやないか!)なんとか、摑み左の大きなスタンスへ上りあがって呼吸を整えた。3ピンとも握る立つの大チョンボ(ほーら!ようやくチョンボって認めたやないかいな!)でやり過ごしたフェースだが、それでも自分には精一杯であった。微妙なバランスでエイヤーと上へ抜け(上から確保されているので大丈夫なのだが・・・)、スーパーを完結させた。(ちゃうやろ!) 小松の親分がオールフリーで完登し、フォローする水流ちゃんがなんとかなんでもありありの大チョンボクライミングで終了させた。(そおそお!人間、正直が一番やで!・・・、ってなんで関西弁の注釈がついてるんだ?環境的に、問いとめられる時は大阪出身のママちゃん口調になるのだろう・・・なぁ!)
 

ここからは、ノーマルを2ピッチつなぎナックルピークへ抜ける。
ナックルピークへのV−をリードする小松の親分
   

 「ナックルスラブ・スーパー」ルート/ルートグレード5級上/195m/4ピッチ
 1992年1月2日 三沢澄男・工藤利光・蒲原邦行の三氏により開拓。スタートは、TAカンテやナックルスラブ・ノーマルルートの右すぐ。1Pの小ハングを乗り越し、傾斜の強いスラブ状のフェースを登る。また、4Pのフェースを直上するのが1Pとともにポイントとなる。5P・6Pは、ノーマルを登りナックルピークへ抜ける。

 
    
「おっさん、2人でぇ〜す!」と、2本指を立てているのではない。
「イェーイ!ピース!」と、表現しているのだ。
なんで、ピースなのかわからないが、昭和30年生は写真を写す時や、
なにかしらの満足感の表現に「ピース」を行うのである。
  

 今日は、風が強く、寒い一日だった。ナックルピークで昼食を食べる。「今日は、結構、楽しめた!」と、小松の親分が話した。いままでは、興奮と恐怖の入り混じる感想が多かったが、また一つ強くなったクライミングを見せてもらった。楽しそうにラインを探る姿勢は、フォローしている私もリラックスできる。水流ちゃん的には、怖い印象が強いが、「楽しい」思いをさせてもらった感もある。当然「また行きましょう!」と、言える気分である。

  
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6:35自宅発----7:10都農神社----9:30入山----下部IV級を経て----10:20登攀開始----14:20登攀終了----昼食----14:40下山開始----15:20駐車場--------日向・お舟出の湯----18:30自宅着

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