水流渓人「hot-news」

2004年2月25日 「比叡山クライミング/第一スラブ」宮崎県

何が吹っ切れたって?何なんだろ・・・と思うけど、嬉しい成果があったんだ!

ブヅフツ・・・能書きの多い水流渓人的レポートなのではある。
  

 25日は休みやけど、歩きでも、岩でも、スノボでもつきあうよ!・・・と、メールが来たので、ホイホイと「岩にするべ!」と返信していたのに、前日まで連絡がなかった。するといつもの調子で、「どんげすっとぉー?」と電話がかかってきた。メールは見ていないのか?と聞いてみると、送信後にプロバイダー変更をしてメールが見れない環境になってしまったらしい・・・(-_-メ)。だったらメールで聞くなよ!って考え方もあるのだが、そういうところが「大先輩」とか「師匠」とか定義される「」でもあるのだ(^o^;)
 ・・・・・もあったりして、??、何があったりとたのか判らないが、当日がやってきて、ママが長女を駅に送り届け帰宅する車を待ち、比叡へ走った。着くまでルートをどこにするか話していなかったが、以心伝心「第一スラブ」とお互いが思っていたから
気持ち悪い・・・でなく、面白い(^^;) 

   
駐車場から1分、さぁ取り付きだ! 1Pは50mロープを一杯に伸ばす

 しかし、私には少しだけ野望もあった。1Pを2つのプロテクションで50m近くリードで登り、立ち木支点で川キョンを迎える。そして、そこからのブッシュを20mほどたどれば、右に「第2スラブのV+級」と「1.5スラのVI−級」が、正面に「第1スラブノーマルのV−級のカンテ」・・・、内心「1.5スラのVI−級」をリードで挑戦(@_@)!とも思っていたが、しばし見上げて潔く川キョン先輩に「第1スラブ・ノーマルV−のダイレクトカンテ」をお譲りする。・・・師弟コンビは、俗に言う「つるぺで登る」などと生意気な域まで来たのだヾ(^^ )・・・と、諦めの言い訳にも似た師弟関係を押し通した(^o^;)
 ここのカンテは、第1スラブノーマルのルートの核心となるコースで、高度感といいトリッキーなホールドの組み合わせで、遺骸とアッサリともなり、難しくもなったりする。
以前、リードで取り付いた私は、核心部を左へ回り込み過ぎスリングあぶみでようやく切り抜けた経験がある。川キョンがアッサリ大テラスへロープを延ばし、続く。

  
2Pの、ノーマルルートV−級をリードする川キョン
 
亀の甲スラブ
 

 大好きな「亀の甲スラブIV+」をリードで取り付く。ここは、体勢が悪いとバンドへ乗り移る所のクラックに、「サンドイッチ豚」ならぬ「ハゲ親父サンドイッチ」が出来上がる。不細工な体勢でバンドに這い上がると、快適極まりないスラブが楽しませてくれる。d(-_^)good!!
 続いて、いつもは2つのピッチをまとめて直上するのだが、2人とも行った事のないノーマルのルートを探る事にした。私が先行する。10mほど右へ出ると段違いの中間部に新しいボルトが確認できた。そこからピンにめがけ直上ししばらくで新しい平行ピンでヒッチを切る。続いて来た川キョンにそのまま先行してもらい、ノーマルとスーパーのルートを分ける基部に到達した。

 
第一スラブスーパールートの核心部となるV+級40mを見上げる。
 

 迷わずスーパールートを選んでリードをさせていただく。前回のリードでは、3本目のピンを踏んでしまい、A0となっていた。リードで登りきるという意味では、それなりに納得もしていたのだが、課題は残った。
 「行きます。」「ハイッ。」・・・
以前に落ちた事があるが、もう落ちる事はない・・・ハズだ!テラスまではピンはない。スタンスを作るためか、以前にはなかったステップが、岩をハンマーで叩き割られ無残である。18日の3KNスラブの取り付きにも、岩を叩き割りステップが作られハーケンまで打ち込まれていた。「安全?」のためなのか?今の私には悲しい出来事に見えて仕方ない。私達は、グランドアップで築かれた「第一スラブ」のフロンティアスピリットを感じ、それに包まれる事を楽しみに来ているのだから・・・。q(-_-)bad!!
 テラスに立ち、いつもは裏から這い上がっていたが、支点にロープをクリップすると初めて正面から取り付いた。案外楽に2本目のピンを迎える。スタンスは安定していた。信頼のおけるビレイでは思い切りもつく。浅い縦クラックをホールドに思い切って前進する。3本目のピン、そして4本目のピンを過ぎ核心をフリーで越える事が出来た。実にすがすがしい気分でテラスに到達した。有難い気持ちで一杯である。ここにルートがある事に・・・、それを開拓された方たちに・・・、もちろん整備もされている方たちに・・・、仲間に・・・。過言ではないのであるが、ルートをたどる時、私はそのルートや打たれたピンに思いを馳せるのが大好きである。ルートをたどる・・・とは、本当は技術を磨く事より、想像力をかきたてられる「旅」に思えて仕方ない。新しいルートを登る度・・・というより、同じルートを登る度、その思いは深まる。

 
第一スラブ・スーパーの核心V+を抜け、フォローする川キョンを写す。
  
終了点にて・・・、暑いぐらいの1日だった。
 

 「何が吹っ切れた?」であるが、明らかであるのはスーパールートの核心V+をフリーでリード出来たことなのであるが、私のクライミングの楽しみ方は何なのだろう・・・と考える事が出来たことである。それは、おぼろげに見えてきはじめ、ここに書く事でもないな・・・とも思う。気になる?(^_-)-☆
 「感謝」する事、そして「楽しむ」事・・・。それだけははっきりしている。

  

ナックルピークから綱の瀬川を見る
帰路、振り返る・・・深いため息とともに・・・。
 

 暑いほどのスラブを登った。一つのホールドを見つける度、一つのスタンスを見つける度、無数の組み合わせで登り切る。謎を解くみたいに上を目指す。クライミングの魅力が、少しずつ判り始めている自分である。
 そして、迷っているのはこの公開している記録である。情報の伝達や、便利さは、かえって登る人たちの価値を下げてしまってないか?ということである。比叡を目指し、夢の中で膨らませる時、私のつまらぬ記録を目にしたばかりに、その登る価値を下げてしまってないか?・・・少し迷いがあるのも事実である。 見なけりゃ良い事でもあるのだが(^_-)db(-_^)

 
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