「奥の細道ルート」+「ナックルスラブルート」ミックス
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ルート名 |
ピッチ |
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リード |
1 |
下部 |
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IV-級 |
30m |
水流 |
2 |
奥の細道 |
1P |
VI級 |
25m |
水流 |
3 |
〃 |
2P |
V級 |
45m |
川キョン |
4 |
〃 |
3P |
IV級 |
40m |
水流 |
5 |
ナックルスラブ |
4P |
IV+級 |
45m |
水流 |
6 |
〃 |
5P |
V-級 |
45m |
水流 |
7 |
〃 |
6P |
III級 |
15m |
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おーし!おーし!(良し・・・より、もっと良い時の表現)、気温は緩んで晴れマークも点灯だぞ!と意気込んでいたら、小松の親分から「事情で、仕事になったので今週は付き合えんわぁ・・。」と、思ってもいない電話に、一瞬たじろってしまった。・・・と、落ち込んでいたら・・・ふむふむしめしめ、「師匠/川キョン」がどうも休みらしい情報を入手した。「こらこら行くぞ!」と電話入れるが、なんと今回「家の用事もあるから、もうちょっと待って・・・。」と返事。もうちょっと待っていたら、「行けるよー!」と、嬉しい一報を受ける。本当に久しぶりの「師匠vs弟子クライミング」が実現した。\(^O^)/
朝起きると、東の空が朝焼けで綺麗だった。気温も高く、青空が広がっていた。私の自宅に6時集合ということで、ママの入れてくれたコーヒーを飲み、弁当を握り出かける。自宅から比叡登山口までは、約2時間・・・、道中の審議の結果・・・弟子の私は登ったが師匠は登ったことがない「奧の細道」「ナックルスラブ」はどうかということになった。ならば、奧の細道のハイライトとなる1P・VI級、2P・V級を上がり、3Pを過ぎたところからナックルスラブ側へトラバースしナックルピークへ抜ける高度感の素晴らしいV-級へご案内することに決定した。だから「奥のナックル」なんて、勝手なルート名がついた・・・m(__)m
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青空に映えるI峰南面
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下部の足慣らしピッチ
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何度も感じるのは、素晴らしい青空である。登山口から見上げる1峰の南面は、ため息がもれるほど美しい。身支度を整えながら、今年15回目のクライミングを迎えたことを思いにふけってしまった。体重超過は修正できないままになっているが、少しは上手になったのか自分でも不安は大きい。いつもの下部IV-級30bにたどり着き、ロープを結ぶと師匠から「さぁ、行ってみようか!」と声がかかる。次第に気持が高ぶり始めたのが判る。
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「奥の細道ルート」基部から見上げる
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久しぶりに、リードを引かせて貰う事になった。足慣らしの1ピッチからガレ場を抜け、「奧の細道」の基部へたどりついた。、川キョンには、岩をはじめた当初からリードを練習させて貰っている。不思議なものでこのルートの核心となるVI級の1Pを見上げながら、彼女のビレーなら安心して取り付く気持に慣れるのである。気合いを入れて核心部へたどり、最初の支点にロープを通すと右上の小さいホールドを両手でとり、右足のスタンスを探す。探すがなにもない所にスメアを効かせて立ち込むことが出来ないと、左スタンスに足が届かない・・・・、くっそぉー・・・、難しぃ〜・・・、絶好の位置にピンがありやがるぅ・・・、踏むものかぁ・・・、あー、絶対にぃ〜。・・・と、そこがさすがの水流渓人である。あっさり気持を入れ替えて、栄光の「エーゼロ」で突破である。下から「あれっ?」と師匠の鋭い眼光が、私のクライミングシューズが勝手に乗っかっているピンの所に飛んでいるのが判る。つまり、このファイブ・テンのレースアップという靴は、勝手に、実に、履いているご主人の意思とは関係なく、岩肌でなく、金属の感触が好きなのかも知れない・・・・事はないな!やっぱり。
古いリングボルトの平行ピンで1Pが終了する。師匠へ合図を送り、確保体勢に移った。川キョンはさすがだ・・・。核心は、右のホールドを両手で取って、左のスタンスから乗り上がるみたいだと言っているのに、右のホールドを両手で取り直上するではないか(^ ^;、そこからはホールドもスタンスも無いぞ!と言うのに、無理矢理立ち込んで「ひぇー!」と言い始めた。さすがと言ったのはそこからなのだ。普通は剥がれてテンションが相場だが、そのままスメアを効かせて左へ移ろうとして移ってしまう事である。とてもリードでは出来ない(いや、彼女ならひょっとしてやるかもしれない)挙行突破の一部始終を上から拝見させて貰った。オー怖っ!
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1Pの核心を抜けて、振り返る。
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師匠@川キョンの豪快な登り(@_@)
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2P・V級・45mをリードする川キョン
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続いて、私の最も楽しみにしていた2PV級45mである。傾斜があり、緊張する登りが続くがビミョウにホールドが出で来るのである。しかもガバのないカチホールドの連続が45mなのである。でも、初めて登る川キョンに譲った。
「授業料としてトップを譲るわぁ・・・。結構、緊張するよ!」
なんじゃかんじゃ言いながら、そこは右だ!と言うのに直上したり、直上!と言うのに右に出たりしてV級をV+級にグレードを上げて( ;^^)へ..登り切ってしまった(^o^;。「登ってよぉーし!」の声で、私も続く。
シビアなホールドが、実に緊張を高めてくれるピッチである。自宅のクライミングボードのおかげで、以前よりカチホールドが手に馴染む気がする。2本目の支点を抜けたところで、最近覚えたカンンター気味に上がろうと、縦になったホールドを取ろうとしたら、岩が少し剥がれた。持ち直して、右足のスタンスを探しながら不覚にもいい加減なスタンスに立ち込もうとしてスリップした。1mほどフォールした。「くっそぉー!」と、叫んでしまった。上から「どうした?」と声がかかる。セカンドなので、折角だから大胆な登りに挑戦するのもいい練習になるのだが、なんとも無いところで、しかも調子に乗ってフォールした自分が情けなかった。スラブの登りと、家のホールドの登りが違う事は承知している。しかし、今のフォールは明らかに愚かな証拠だと思った。反省することしきり・・・、川キョンの待つビレー位置に到達した。素晴らしい高度感だ。
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2Pの終了点から見下ろす。スッキリしたスラブが広がる。
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ナックルピークへ突き上げるV-級・45mのロングピッチ、水流リードす。
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気合を入れ直し、ここから終了点まで私がリードを引くことにする。3Pに川キョンを迎えた。ここから左のナックルスラブの4Pの途中へ抜ける。うるさいブッシュをトラバースし、段違いを乗り越えるところが砂や枯れ葉でいやらしかった。ランナウトしたまま30mロープを延ばして立木でビレーする。
いよいよここから、青空に突き上げるナックルピークを攀じる。高度感といい、傾斜といい、スケールのあるスラブが目の前に広がっている。V-級45mのロングピッチである。立木からやや左上に上がり、しっかりとしたスタンス位置で1つ目の支点にロープをクリップする。ここから微妙なホールドが続き、3本目のピン下が思い切りのいるバランスである。爪先ほどのカチホールドに両手はかかるが、右足が決まらない。右が決まらないとその上の左スタンスが厳しい。「滑らない!」と唱えながら、グウッと立ち込むと左足がスタンスに乗った。体重を左へ移動すると、その上のしっかりしたホールドに手が掛かり、核心が終わる。そこからも20m近く直上し、松の木で確保する。フォローで上がってくる川キョンは初ルートになるので、インパクトのある印象を受けてくれたと思う。たかが、V-級のリードクライミングかもしれないが、教えて貰った川キョンが登り上がった時、緊張感のある楽しめた表情が私には嬉しかった。
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核心を抜けて・・・
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師匠@川キョンと肩を並べてヾ(^^ )
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夜勤明けの川キョンは、帰路居眠りしていた。ご褒美みたいにポカポカ陽気の一日は良かったナァ・・・。
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6:20自宅発----9:00登山口駐車場----9:40下部の取り付き---10:10奥の細道基部--11:30Aピッチ終了--12:30ナックル--13:00終了点-----休憩------13:40下山開始------14:15下山終了----門川温泉----17:30自宅着
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