水流渓人「hot-news」

2003年10月22日 「比叡III峰/左方カンテ・バリエーションルート」宮崎県

 メンバー【小松の親分/川キョン/水流渓人】
 
 【左方カンテ・バリエーション】ルート *頂きもの資料より転写
1P・・・30m/VI+(5.10a) やさしいフェースからコーナーをレイバックで登り、ハング下を左へハンドトラバース
2P・・・25m/V+(5.7) 短い
凹角から段違いを右に越しスラブのクラックを登る
3P・・・45m/VII-(5.10b) フレアしたバンドクラックからスラブのクラックを右上して左方カンテノーマルに合流
4P・・・30m/IV+ 小スラブを左上から右に折り返してフレークをレイバック
5P・・・45m/VI- 左へのハンドトラバースから直上し、ハングを左に回り込んでコーナーを登る
 

基部より「白亜スラブ」を見上げる。

折れ曲がった電柱の当たりの白いスラブ・・・崩壊により露出したスラブ
左方カンテバリエーションルートは、写真左のハング下を左へ

 
 しばらく小松の親分と2人クライミングが続いたが、久しぶりに川キョン@師匠が同行である。3人揃えば「III峰へ行くぞ!」と、空元気コールを叫んでいた私としては、ヒビッてもいた。(-_*)
 秋晴れの快晴ぃ〜!私の自宅へ来た川キョンは、訳あって愛車「ハイラックス・サーフ」ではなく、代車の軽自動車で登場である。そして、小松の親分との待ち合わせ場所へ・・・・いざ。なんと、ルートはIII峰・・・・それは判っている。私の頭の中には、『ボクちゃんのIII峰デビューなのだから、軽く左方カンテ・ノーマルじゃろなぁ・・・^@_@)y-~~』と、思いつつ・・・・「今日は・・?」と、聞こうとした瞬間、「今日は、左方カンテ・バリエーションやったがね!d(-_^)good!!」と、勝手に川キョンと小松の親分で話が決まっているではないか(^.^;)
 念のため「VII-級がある所ぢゃなかったかぁ?」と聞いたが、「うん、左方カンテ・ノーマルは、この前登ったし、新しい所に行きたいが・・・どうせなら(^。^)」と・・・。
  

1P/VI+級のルート確認
川キョンは一度登っているのだ。
初見にて取り付く小松の親分
コーナー手前、レイバックで上がり
ハング下を左へハンドトラバース

    

1Pのビレー位置で買ったばかりの
5.10アナサジ・レースアップ(^_-)
って、そんな余裕あんのかお前は"d(-_-)
2P/V+級 凹角からスラブのクラックへ
段違いを悪い体勢で乗り越すと
微妙なスラブが待っている。
3P/VII-級へ取り付く小松の親分 3Pへザイルを伸ばす
     

 1P/VI+・・・小松の親分がオンサイトでビレー点から「登って良し。」と声をもらう。簡単なフェースを直上すると、左コーナーをレイバックで直上する。ハングに頭がつかえそうになりながら、左へトラバース・・・(@_@)と言ってもスタンスが無いのでハンドトラバースハンドトラバースハンドトラバース・・・、初めてやってみる・・・というか、やらねば先へ進めない(@_@)。1Pで、早くもパンプしそうになりながら何とかクリア。
 2P/V+・・・凹角をまたまたレイバックで上がり、段違いをへんてこなムーブで乗り越す。へんてこ・・・と言うより、傍目に「不恰好に・・・」に乗り越すとスッキリし過ぎたスラブとなる。クラックにバランスをとるようにホールド・スタンスをとり登るが、のっけからのVI+級の後なので、V+級なのにやさしく感じる。
 そして核心の3P/VII-・・・、ただものではないぞ!と、小松の親分のチャレンジを見て思った。ビレー位置から左に出て、バンドクラックに張り付く、開いているクラックなのでホールドが決まらず、2度クライムダウンした。彼は私と違い、あくまでもフリーでのトライにこだわる。ピンが5m上にしかないので、フレンズで支点をとっている。とうとう、3度目のクライムダウンの時パンプして2mフォールした。ここからさらに左へ回り込むと、「比叡の果てルート」のVI級である。レストしながら、そちらにしようかと言う小松の親分の目は、確かに諦めていなかった。「エーゼロでもいいかぁ・・・。」と、また取り付く。フレンズを摑んでずり上がると、とうとう登りきってしまった。川キョンが取り付く。そして、私。エーゼロでも厳しいことこの上ない。あわててナッツを摑んでしまい、外れなくなった。気を落ち着けてフレンズを更に上にセットしなおし、ようやくナッツが回収できた頃には、完全に腕の力が無くなっていた。この厳しいクラックにして、この傾斜である。正直言いますわい(-_-メ)3回ズリ落ちました。でも、極上の楽しさだったんぢゃわい(*^o^*)

  
ホイホイと登れる、今日唯一のIV+級の4P

誰も写真を写してくれんので、催促して1枚
 
5P/VI-級 声が聞こえなくなるのでハング下でピッチを切る。
上/ビレー中の小松の親分 下/ハンドトラバースの川キョン
 
西都山岳会クライミングベース「麓屋」
5Pの取り付きから見えているのだ(^^)
5P中間ビレー地点にはやっと一人立てる。
・・・ヒヒヒ、5.10のシューズヾ(^^ )
ハング下からコーナーへ取り付く川キョン
本当にVI-か?と思うほど難しい。しかし、以前、川キョンはここをリードしたのだ(◎_◎)
 

 5P最終ピッチのコーナーを見下ろす。レイパックでズリス゜リと上がっていくと、指が差し込めなくなる。フレーク気味のホールドを取り直し、左の小テラスに抜けるところが核心かなぁ・・・(-_-メ) 上から、小松の親分が「右足を遠くの凹角にとって、右を上げるといいっちゃがぁ・・・。」と言うので、やってみると足の長さが違うので、股裂きの状態(◎_◎)・・・戻りも出来なくなり、両手でとった岩角のホールド・・・あぁ・・・手の力がぬけるぅ・・・っとテンションしてしまった。「セーノォ!」でなんとか左に重心を移しズリ上がって終了点を迎えた。

 

 私の実力を越したルートだった。クライミングをした人は解かると思うが、一番大変(本当は楽しい)のはリードすることで、続く後ろはロープで確保されているので意欲さえあればたどり着けるのである。そんな記録なのだが、私はそれでも満足だ。今は、岩に触り、必死で登り、クライミングの事だけを仲間と熱く話している瞬間が好きだ。そして、それを今後何につなげて行きたいのか・・・、おぼろげに見えてくるそんな目標も私にはある。

 
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5:30自宅発----6:10都農神社---8:00比叡・登山口--8:45登攀開始--11:40 3P終了--141:40登攀終了点----昼食---15:25下山開始------15:40下山終了----門川温泉----16:40自宅着

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