水流渓人「hot-news」

2003年9月23日 「お化粧山〜お姫山〜五葉岳」宮崎県

タンナトリカブトを見に行く

【家族行動日】
 祝日は、私と子供達の休みが会うので、出来る限り家族登山をするようにしている。(私が勝手に決めたのかも・・・)一昨年、私一人でたずねたコースで、いつか家族で行こうとママと約束していた。
      注)・・・ママと呼ぶのは私がホームページの中だけで、子供は誰も呼ばない。
 

【長女の離脱】
 今まで、何度も「留守番」を主張し、登山からなのか?、家族行動からなのか?離れたがっていた長女である。しかし、何が何でも同行させていたのだが、数日前から、たくさんの理由をつけて抗議してきた。一度は、同行すると決めていたものの、また、前夜になって文句を言い出した。それでも、許さないと言う私と喧嘩までして、彼女は泣いて怒っていた。私自身、折角の休み・・・、折角の家族行動・・・と、思い入れが激しすぎたのか?子供の成長過程での行動と判ってはいる。元来、わがままな性格は、私も、私譲りの長女も同じなのであるが、同行して不愉快な思いも嫌なので、朝、起こさずに出かけた。
      注)・・・後で判った事だが、長女は諦めの参加してもシャーナイモードでもあったらしい。

美々津で朝焼けを見た。 登山口
  

【オオボケ】
 やはり、家族全員でないと、もどかしいものがある。一人っ子育ちで、両親も他界している私には、家族が唯一なのである。でも、勝手な思い入れだとしたら、子供達には迷惑極まりないのかもしれない。車を走らせながら、皆眠り込んでいる車内で、妙な孤独感に襲われてしまう。登山口は、日隠林道・・・と判っていた。日隠林道は、傾山の「杉が越登山口」へ向かう途中、見立渓谷沿いを走って行く・・・・も判っていた。じゃ、そこへ右折するのは・・・・『高千穂から天岩戸神社方面』と、意識して走ること1時間・・・。「あれっ、尾平トンネル?!」と確認したとき、情けないやら悲しいやら・・・。眠っている家族に八つ当たりするかのごとく、狭いクネクネ道をスピードを上げた。次女が、何か私に注意信号でも送るかのごとく・・・酔ってもどした。
 ハッとした。私のオオボケとワガママは、度を越しているナァ・・・と、思った。申し訳ない気持ちで、再度『日之影から見立渓谷』を目指した。少し、すっきりした気持ちで、心地よい秋の気配を感じ始めた。子供は、私にとってかけがえの無い大切なものなのだ。個性なのだ。同行しようが、別行動しようが家族であると言うことだ。私のつまらないワガママで、振り回していないかを、いつも確認する事だと思った。
      注)・・・私がワガママだと言うことは、私や女房のみならず、子供達も認めているらしい。

  

しばらく杉林を歩く レイジンソウ
   


【涸沢を登る】
 いつもの次女先頭。一般登山道は、涸沢でなく尾根を通るが、地形図を見ても直上でも左尾根だけ意識していればコースを外れないみたいなので、ルートから外れている次女をそのまま歩かせる。踏み跡は消えるが、鹿の足跡は増える。休憩の合間に、左尾根を確認に行くと、立派な登山道と、初めて見る「レイジンソウ」に出会う。『迷った!』と騒がない所が、家族登山の歴史を語っていると思う。そもそも「迷う」のは、地形図で現在地を確認できない時であり、現在地を把握していれば登山道である必要もないのだが・・・(^_^ゞ
 アケボノソウの群落の中を、高度を上げていくと尾根道にでて「お化粧山」である。

 

 

アケボノソウ

お化粧山1450m

    

【ブナの三叉路】
 ここに立つ度に想うのは、かつて女郎達が、上祝子から三里河原を抜け「乙女山」「お姫山」・・・そして、この「ブナ」を目印に尾根道を下り、もうすぐ男達の待つ鉱山へ・・・、途中で化粧直しをした場所が「お化粧山」なのか・・・。日隠林道近くにある「女郎墓」・・・。多くの女郎達の思いが、このブナの枝々を分けたのだろうか?物言いたげにもあり、気高い思いを込めていたかの様にもある。五葉岳に咲き誇る「タンナトリカブト」の気品のある姿も、何かこの山域にしかない張り詰めたものを感じてしまう。

 
鹿納山を見る お姫山1550m
   
タンナトリカブト ツチアケビ
   

360度のパノラマが楽しめる「五葉岳」1570m
 
祖母傾山系・夏木山方面
大崩山系・鹿納山方面
 

【楽しさ】
 始終、次女と長男は何かを楽しんでいた。履いているジャージがどこまで上に上がるかを競ってみたり、景色を見ながら「ヨーロレイヒィー♪」と叫び続けてみたり・・・。こんなに安らぐ状況は無いような気もするが、彼女も彼も「成長」というなんだか、取り決められた呪縛のような環境に飲み込まれ、家族での行動を否定し始めるだろうか?ならば・・・、今のこの楽しさは、ほんの短い・・・しかし、深いものなのかもしれない。親は、こんな子供のほんの束の間愛らしさを、長い時間胸に抱き続けるのかもしれない・・・。それでいい。
 注)・・・いろいろ判ってはいるのだが、ワガママ親父としては悲しいような、どこにこの感情をぶつけたらよいのか判らず・・・、正直言うと「父さんといつまでも遊んでくれぇー。」なのだ。

   
ジンジソウ 伐採地
まもなく林道だ! 大声で歌いながら林道を歩いた。
           
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5:30自宅発----ミスコースで高千穂まで行く----10:00日隠林道・登山口--10:17登山開始--12:00お化粧山--12:44ブナの三叉路--13:10お姫山--13:50五葉岳----昼食---14:40下山開始--16:05大吹鉱山跡林道--16:45登山口駐車位置----19:30自宅着

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