2003年7月30日 「高千穂峰/家族登山」宮崎県
なんだか天気が怪しくなってきたぞ! 夏休みこそ「家族登山」のチャンスである。結構嫌がり始めた長女・・・、最近体力低下気味で不安なママ・・・。やるぞ!のかけ声で、やまびこ会の掲示板にも「霧島縦走・夏休み親子企画」なんて募集もしてみたが、前日の予報でそれも中止となっていた。結局、前夜に登山の準備だけして朝を待った。 6時起床、なんと快晴。やはり予報は予報だなぁ・・・などと登山モードに切り替え、子供達が「ラジオ体操」から戻ってくると同時に家を出た。目標は「高千穂峰」方面である。結局この山は、家族で山頂に立っていない。1999年6月に、霧島東神宮から登り敗退している。当時、長女9歳・次女7歳・長男5歳・次男3歳である。韓国岳〜高千穂河原の通称「霧島縦走」より長いコースに挑戦したが、二子石付近で濃霧+風雨にて断念して以来の家族挑戦となった。 とりあえず、高原町まで行き眺めてからルート選択のつもりでいた。「皇子原新道〜高千穂峰」「高千穂河原〜高千穂峰」「皇子原〜矢岳・竜王山」のいずれかのつもりでいた。高原町で眺めた高千穂峰は、雲にスッポリ覆われていたが、天候は回復傾向である。日陰の少ない高千穂河原からの最短コースを選んだ。理由は2つあった。先日の久住での小学生の遭難騒ぎ・・・濃霧の山行を家族チームとして体験したいこと。もう一つはお鉢の周回コースで、安全性の向上をめざしたいと思った。
高千穂河原の駐車場で410円の駐車料金を支払い、トイレ近くに駐車する。平日と前日の天候のせいだろうか、車は少ない。身支度を整え、自然観察路の石畳を歩き始める。登山道らしくなり始める頃、特有の赤い溶岩のザレ場が迫ってくる。お鉢への急登の始まりである。短くて高度を上げるのにはいいが、なんせザラザラ滑る。真っ青な青空が覗いたかと思うと、辺り一面がガスに覆われる。いつもののんびり家族ペースで1.5倍ほどの時間をかけてお鉢の火口縁へたどり着く。
先頭を行く次女は、なかなかペースメーカーでもある。視界があるときは少し早く行き、皆との距離を少し開けるが、ガスに覆われると皆が揃うまで待つ。分岐では止まる。何年もかかって培われてきた家族のチームバランスだと思う。 反面、山での危険度の高いのは長女・次男であろうか・・・。 長女は気分屋である。感情に流され、チームとしてのバランスを崩しやすい。ただ、嫌々の登山は前半がいつもそうなので、相当私から怒鳴り付けられる。他の妹弟達の見本にはなる。しかし、私からの叱咤で涙を流し、吹っ切れると実に頼もしいヤツであることも私は知っている。今回は、皆に声をかけず長女とママが立ち止まり靴ひものメンテをした。振り向けば50b以上もの間隔が開いている。知っていたが見えない距離で待ち、注意をする。ガスも出てきた。先日、久住の小学生が靴ひもの締め直し間に前を見失う状況が偶然出来た。その状況下で、叱られた長女はようやく吹っ切れた。折しも、お鉢のバリエーションコース側の歩行時である。だんだん険しく切れ落ちる両側の火口縁で、長女は自分勝手な行動を悟ったと思う。態度で登山を嫌がるようになったが、ママに「嫌でも何かやりはじめたからには、せっかくだから楽しむ気持ちを持つ」と言うものも大切だと言われていた。私がコソッと「岩登りに行ってみるか?」と聞くと、素直に「ウン。」とも言う長女でもある。 次男の危険は、少し不自由な左手足である。時々、前につまづく。危険なのは判っているが、私が守れる範囲での山行には連れて行くつもりだ。彼も、私の期待以上に登り、深い感動を与えてくれる。手をつなぎながら、確保しながらのお鉢周回ではあるが、足がすくむような岩場も問題なく通過してくれた。
7:20自宅発--9:00御池横--9:30高千穂河原--9:55登山開始--11:00御鉢--休憩--右周りへ--12:15馬ノ背--休憩--12:55山頂----昼食---13:35下山--御鉢右へ--15:20高千穂河原着----17:50自宅着
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