2002/04/29

 

 今までもそうしてきた。これからも出来る限り家族のペースを維持したい。それぞれに、一番歩けない人にあわせ、コースを選んだ。ママの腰と首は、通院を余儀なくさせられている。それでも、6人で歩くことを選んでくれた。出来る限りなだらかで、余裕のある山行を計画した。家族で歩き始めた原点を見直した一日でもある。
 「あんたが、がむしゃらに山頂を目指さなくなったから、ずいぶん気が楽やわ!」
いつも、何かに背中を押されるようにしてきた。気が付けば、私の背中で山頂を向かえていた次男も、しっかりとした足取りで歩いている。山行回数を重ねるたびに、新しい発見をしている。

 自宅を6時半に出た。西米良村までは小雨交じりだったが、トンネルを抜け、熊本県湯山町に入ると青空が迎えてくれた。

登山口へ向かう林道から、免田町の田園風景が広がる。
登りはじめてすぐ、バイケイソウが出迎えてくれる。 猪の子伏、早速オヤツを食べはじめる。それも、楽しみ・・・。
足下はミヤマシキミの群落 ミヤマシキミの花・・・毒
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ガスが出てきた

お約束の場所、長男はここを楽しみにしていた。ママに棒でつつかれる!

バイケイソウの群落、図鑑には九州に無い事になっているが・・・
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三池神社 家宝「山頂集合写真」

 20年ぶりに、「オプティマス」を使ってみた。実にノロマな手間のかかかる代物だ。しかし、この懐かしい感覚は捨てがたい。パチッと簡単に点火する時代に、予熱が必要だ。火力も弱い。お湯を沸かしながら、我が家の家族登山そのものだと思った。いつまでも変わらないでいて欲しいと思った。喜びや感動を自分だけで味わうのは、なんと傲慢な事なのか?と思った。家族がいるのに、自分だけで歩く山のなんと味気ない事か!と思った。家族を巻き込むのは私のワガママ?とも思った。今回、少し同行を敬遠した長女であったが、母親は毅然とした態度で言ってのけた。
「あのな!よその家の事は知らん。でも、こうやって家族全員で何かするのは我が家の決まりや!それが嫌やったら承知せえへんでぇ・・・!」
子供達は嬉しそうにしていた。母親でないと、このコントロールは出来ないと思う。

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キイロスッポンタケがひょっこりと顔を出す!
ヒメシャラ
帰り道、振り返ってみる。

 女房が言った。私は、子供を預けてまで遊びたいなんて思わない。子供達の成長を感じて入れる間は、それが幸せだから関わりながら遊びたいと思う。子を思う父親の愛情のなんと軽薄なことだろうと思った。母としての強さなのか?とも思った。いろいろな理由を勝手に付けて、遊ぶ母親が多いと思う。それぞれの人生だから?個人主義?子供はそれを望む???親がつけている勝手な理由かも知れない。たくさんの大義名分を駆使して、子供や家族抜きに遊ぶ事・・・・悪いのか?イヤ、私にそれを賛否する資格も無いことは判っている。私が思うのは、生まれてきてくれた子供へ対する敬意だと思う。折角、私達夫婦の間に生まれてきてくれた子供なのだから・・・という、この意義である。

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